首相、経済界に「来年の春も期待」 経団連で講演、7年連続賃上げ要請

2019.12.27 05:00

 経団連は26日、東京都内で審議員会を開いた。来賓として出席した安倍晋三首相は「重要なのは人材への投資だ。来年の春も大いに期待したい」とあいさつし、2020年春闘交渉での賃金引き上げへの協力を経済界に呼び掛けた。交渉方針が決まる前に経済界に賃上げを求めるのは7年連続。首相は、20年春闘の具体的な賃上げ水準には触れなかったが「半世紀前の(東京)五輪時の賃上げ率は12%だそうだ。あくまでも参考です」と話し、笑いを誘った。

 安倍首相は14年春闘以降、賃金引き上げを交渉の前に要請している。昨年は審議員会のあいさつで、経団連に対して19年春闘交渉での賃金引き上げを求めた。経団連は19年春闘で政府が主導する「官製春闘」からの脱却を打ち出したが、20年の春闘交渉でも賃上げの勢いを維持することが重要との姿勢は変えていない。

 安倍政権では今年10月に西村康稔経済再生担当相が経団連の中西宏明会長との懇談で、20年春闘交渉での賃上げの継続を要請した。

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