セーフガード発動後に値上がり 外食業界は「冷蔵牛肉」への波及警戒

 
東京都内のスーパーに並ぶ米国産牛肉。冷凍品の卸売価格はセーフガード発動により上昇し始めた(AP)

 セーフガード発動で、牛丼や焼き肉に使う米国産冷凍牛肉の卸値が上昇している。仕入れコストの増加に直面する外食業界は冷蔵牛肉への波及を警戒し、対策を検討している。

 独立行政法人・農畜産業振興機構によると、米国産冷凍牛バラ肉の7~10日の卸売価格は1キログラム当たり807~833円。4週間前より5%値上がりした。

 米国産冷凍牛肉を扱う焼き肉店からは「在庫がなくなれば、産地の変更も考えなければ」との声が上がり、都内のスーパーの担当者も「特売を控えたり、豪州産に切り替えたりといった対応が必要だ」と話す。

 ただ、トウモロコシなどの穀物で肥育する米国牛と牧草を食べる豪州牛は肉質が異なるため、産地に最適化した調理をしている大手チェーンは切り替えが難しい。米国産バラ肉にこだわる吉野家ホールディングスなどは、価格上昇が続けば業績影響も懸念される。

 外食産業約800社が加盟する日本フードサービス協会は、冷蔵肉でもセーフガードが発動される事態を警戒。商社と情報交換し、輸入量の調整を図るといった対策の検討を始めた。

 一方、国産牛肉の価格は米国産の2倍近いため、米国産から切り替える動きは目立たない。(山沢義徳)