成長戦略、中小にもM&A広がり 都内の企業、事業承継が活発化

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 中小企業の事業承継の動きが活発化している。東京商工会議所の中小企業向け事業承継支援機関「東京都事業引継ぎ支援センター」によると、同センターが2017年度に成約した件数が前年度に比べ3割増え、11年10月の開設以来最高となる55件に上った。17年度の新規案件では譲渡側企業の相談が急増した上、小規模化しており、同センターは、「中小企業でも事業内容や業績次第では、M&A(企業の合併・買収)による第三者への譲渡の可能性があることが、徐々に知られてきたのではないか」とみている。

 17年度の新規相談社数も前年度比28.8%増の875社、2回目以降の相談も含めた総相談件数は同11.5%増の1327件と、いずれも過去最多だった16年度を大きく上回った。

 新規事業展開など企業の成長戦略の位置づけから、大手企業だけでなく中小企業の中でも買収の動きが広がっていることに加え、人手不足の深刻化によって人材確保のニーズが高まっていることも相談件数の増加に拍車をかけているという。

 また、成約件数55件のうち、17年度中に初めて相談を受けたのは5件のみで、残りは16年度以前から続いてきた案件だった。センターに参加する金融機関やM&A仲介会社の担当者が抱える案件も年々増えており、すぐに譲渡先が見つからなくても、時間をかけて相手を探し、成約にこぎ着けるケースも多くなっている。

 一方で、持ち込まれた案件の中には、業績不振が深刻だったり、債務超過に陥っていたりする企業もあり、買い手が見つからないことも少なくないという。センターでは「後継者不在で困っている中小企業経営者には、まず相談に来てほしい」と呼びかけている。