高論卓説

消費者不在キャンペーンで物議 地域社会を考えた企業広報を (1/2ページ)

芝蘭友

 消費者をないがしろにしたキャンペーンが物議を醸した。ガストを運営するすかいらーくグループである。達成が不可能であろうその企画内容は、1000万円分の食事券(1人上限20万円)をプレゼントするというものであった。全国47都道府県の店舗で1000円以上飲食をした先着50人が対象となるものである。(芝蘭友)

 達成するためには、1日平均57店舗を回らなければならない。実に飲食代だけで最低136万円かかる計算だ。営業時間なども考慮して考えると、1時間に2.3店舗以上回らないといけない、など大きな非難を浴びた。全国対象となっているからには、多額の交通費もかかるわけで、いったい誰が得をするのかという情けない企画である。そして、話題となり炎上した。すぐにおわびをして内容を変えたキャンペーンを行うも、炎上商法かと火に油を注ぐことになる。このキャンペーンは消費者不在。まさに話題になればいいという意識の低さを露呈したのではないか。

 このキャンペーンの先にはいったい何があるのか。1300店以上あることを知ってほしかったという理由も幼稚である。ホームページには『すべてはお客さまの笑顔のために』をモットーにと書いてあるが、世の中を騒がせ、笑顔は消え、怒りが生まれる結果を引き起こした。飲食業界はアルバイトによる悪ふざけ動画が投稿されるなど、「バイトテロ」と呼ばれるリスクも多く抱えている。労働環境についてさまざまな問題が潜んでいると思うが、企業価値を下げてしまう行動を自ら実施するキャンペーンに同情の余地はない。企業広報とはいったい何なのか。瞬間的に話題になればいいのか。どんなことに力を入れ、どんな社会を目指し、そのためにどのような企業努力をしているのか。それらを考え抜いた広報でなければ社会に応援される企業として存在できないのではないか。

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