パチンコ・チェーンストア協会(PCSA、代表理事・加藤英則氏)は16日、東京都千代田区のTKPガーデンプレミアム神保町で第18期定時社員総会および第68回PCSA公開経営勉強会を開催した。
あいさつで加藤代表理事は、「5月14日から依存問題啓発週間が始まっている。遊技業界でも初日にフォーラムを開催しているが、重要なのはホールをはじめ、業界で働く人が依存とはどういうものかを正しく理解し、対応していくことだ」と指摘。また、「治療に向けた支援に力を注ぐだけでなく、予防が大切である」とし、「治療に掛かるコストを考えても、病的な状況になる前に予防することが大事になってくる。今後は、予防が依存対策の主流となっていくと考えている」と述べ、会員企業に理解と協力を呼びかけた。
総会では、役員の改選において加藤代表理事はじめ、全理事、監事を再選したほか、来賓として警察庁生活安全局保安課の齊藤敬之課長補佐が臨席。ギャンブル等依存対策について、安心・安全アドバイザーの育成をはじめとするRSNを通じた対策など、多岐にわたり進められている遊技業界の取り組みを評価。さらなる推進を要請するとともに、PCSAにおける依存問題対策プロジェクトチームの活動に触れ、業界の取り組みの中で大きな役割を果たすことに期待した。
総会後には、PCSA第2回フレッシュマンズアイディア・エッセイの表彰式を開催。会員企業に入社して3年以内の社員を対象に、入社して気づいたことや遊技業界でやりたいことなどの試論・小論を募った結果、多数の応募の中からパンドラの龍澤史菜さんの作品が最優秀賞を獲得。ダイナムの南皓介さんと石飛篤宜さん、ニラクの湯田莉菜さんの作品が優秀賞を受賞した。
一方、公開経営勉強会では、会場が満席となる多くの聴講者が訪れるなか、認定NPO法人ワンデーポート理事・施設長で政府ギャンブル等依存症対策推進関係者会議委員の中村努氏が『ギャンブル等依存症対策推進基本計画による相談・治療・回復支援への課題~ワンデーポートへの相談や利用者の皆さんとのかかわりを通して思うこと~』をテーマに講演。これまでの施設運営を通じた経験から学んだことや気づきを、事例を交えて紹介するとともに、依存をひとくくりに病気として捉えた対応に疑義を呈し、8割は自然回復できること、それぞれに異なる背景があることから「依存を人生の問題として発信していくこと」が大切であると訴えた。