職場での「昼寝」を従業員に推奨する取り組みが関西の企業で広がっている。昼食後にみんなで気兼ねなく仮眠が取れる時間を設定。頭をすっきりさせた上で午後の仕事に集中してもらい、生産性の向上につなげるのが狙いだ。導入した企業では「ミスが少なくなった」と、睡眠効果を実感している。
バイオリンの音色が響く薄暗い本社ホールで、昼食を終えた50人ほどの従業員が気持ち良さそうにうたた寝する。大日本住友製薬(大阪市)が2017年6月から月1、2回のペースで開く社内イベント「寝てもいいレクチャー」での見慣れた光景だ。
内容は自由に決められ、従業員が現在取り組んでいる自分の仕事を紹介したり、外部の専門家に講演を依頼したりしてきた。初回から参加する人事部の増田修一さん(39)は午後に眠気を感じることもあったが、レクチャーの後は「頭がリセットされた気持ちになる」と満足した様子だ。企画の担当者は「今後はオフィスの自分の席でも遠慮なく寝られるような風土を浸透させたい」と話した。