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東京都大田区 国内外VBと町工場との連携を支援

 東京都大田区は今年度の区内の町工場と国内外のベンチャー企業(VB)との連携支援事業において、4件のプロジェクトを認定した。このほど、認定書の交付式が同区の荏原製作所本社で開かれ、大田区の川野正博副区長からベンチャー企業の代表者に認定書が手渡された。

 海外のベンチャー企業が持つアイデアを、区内の町工場が持つ高度なものづくり技術とを結びつけることで、こうしたアイデアの早期の事業化に結び付ける。同時に、下請け体質からの脱却を目指す町工場の経営基盤強化も後押しする。

 インドネシアの環境ベンチャー、テックプロムは、火力発電で石炭を燃やしたあとに残る産業廃棄物に、独自開発の重合剤を混ぜて作る舗装材を開発した。透水性の高さが最大の特徴だが、現状では製造工程の大半が人の手で行われているという課題がある。同社は精密部品加工の関鉄工所とチームを組んで、製造工程の自動化ラインの構築を目指す。

 プラディプタ・スーリヤ最高経営責任者(CEO)は、「日本のものづくりの技術を取り入れて、もっと多くの舗装材を世界に届けたい」と意欲を見せる。関鉄工所の関英一社長も「品質にばらつきが生じているのがもったいない。品質管理の基準づくりなどで、培ったノウハウを役立てたい」と話した。

 このほか、タイのリードリングが機械設計試作の善大工業と視覚障害者向け点字変換デバイスの開発に取り組む。また、シンガポールのシンガポール・ヘビーエンジニアリングは、検査受託の栄商金属と大型の大気清浄システムを開発する。さらにOUTSENSE(アウトセンス、東京都新宿区)は、試作開発のサンケイエンジニアリングと簡単に展開可能な三次元構造物の実用化を目指す。

 4つのチームは今後、それぞれ試作品の開発などに取りかかり、来年3月の成果発表会に臨む。その後、各国での販売を目指す。

 平成30年度のこの事業では、タイのものづくりベンチャー、アイペットが警護用品開発のサンリキ(東京都大田区)と共同で犬猫向けの高機能車いすを開発するなどの成果をあげている。

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