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健康的空間 屋外の要素取り込む「そと部屋」 鹿島が開発

 鳥の声や光…開放感でリラックス

 鹿島は、光や緑、鳥の鳴き声などの屋外の要素を室内に取り込んでリラックス効果をもたらすウェルネス(健康性)空間「そと部屋」を開発した。「従業員の心と身体の健康が重要な経営資源」という考え方が、経営者の中に浸透しつつある。鹿島は、地下や高層ビルなど屋外にアクセスしにくい空間のレイアウトでも高い開放感をもたらし、従業員のリラックス効果の向上に貢献する。

 そと部屋のコンセプトは、天候や季節の影響を受けない室内に、屋外の緑や生物、香り、音などを適度に取り込み、開放的な空間を実現することだ。従来の建築物では、トップライトや吹き抜けのある空間で採用されているが、鹿島は窓のない部屋や窓から離れた場所でも開放的な空間とした。

 ウェルネス空間を実現するために採用された環境制御技術は、模擬天空天井「スカイアピアー」と、地域に根ざした音風景を室内に取り込める「サウンドエアコン」。

 スカイアピアーは、天井を天空と錯覚させる奥行きのある光を演出。同時に窓からの採光によって生じるコントラストを低減し、開放感を高めながらも、屋外のようにパソコンの作業画面が見えづらくなることがない。

 サウンドエアコンは、屋外に設置したマイクで集めた音について、電車や車の走行音など抑制したい音と、鳥や昆虫の鳴き声など強調したい音に分けて調整し、瞬時に室内に取り込む。ヤマハサウンドシステム(東京都中央区)の技術協力を得た。

 このほか、緑やアクアリウム、木製の家具などの自然の要素をバランス良く配置し、生物と親しむことによるやすらぎを高める工夫もした。

 鹿島技術研究所(東京都調布市)は、約100平方メートルの部屋をそと部屋に改修。80分間の作業をした後、自席、そと部屋、屋上庭園の3カ所で15分間の休憩をし、さらに80分間の作業をして、ストレス感などのアンケートや、自律神経状態などを調べる実証実験を実施した。その結果、そと部屋は屋上庭園と同等のリラックス効果を得られたことが分かった。

 建設業界では、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」を活用してビル内のさまざまなデータを分析し、消費電力量の削減や設備管理などを効率化するスマートビルディングの開発競争が進んでいる。

 鹿島は、そと部屋における行動・生体情報をセンサーで検知するなどして“見える化”し、健康的な空間における働き方を自社のスマートビルディングの強みとしたい考えだ。

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