金融

東証が株式売買システム刷新 処理速度1.5倍、注文の滞留防ぐ

 東京証券取引所が株式売買システム「アローヘッド」を5日刷新し、初日の取引を滞りなく終えた。注文処理速度を1.5倍にしたほか、株価の急変動を抑制する機能を盛り込み、取引の活性化と安定性を重視した。アローヘッドは2010年に導入され、証券市場の中枢システムとしての役割を担ってきた。15年に1回目の更新を実施し、今回は約4年ぶりの見直しとなった。

 東証が注文を受け付けてから証券会社に応答するまでの時間をこれまでの0.3ミリ秒(ミリ秒は1000分の1秒)から0.2ミリ秒に短縮する。人工知能(AI)を駆使した高速取引が世界的に広まる中、遅延を軽減して注文の滞留を防ぐ。

 最近は個別銘柄の取引材料がインターネットで伝わった場合、注文が瞬時に殺到して株価が大きく動くことがある。60秒間の監視時間は一定の値幅にとどめる仕組みを取り入れ、乱高下を抑える。

 東証では18年10月、業者が大量の通信電文を送信してシステム障害が発生した。今回の刷新で、業者がシステムに接続して行う取引テストができる日数を増やすなどし、再発防止に役立てる。

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