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言葉の壁解決、VRで奨学生に防犯啓蒙

 公益財団法人大遊協国際交流・援助・研究協会(理事長・上浦文雄氏)は2019年12月14日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪で奨学生親睦交流会を開催。財団が援助する奨学生27人に加え、奨学生OBや各大学事務担当者ら合わせて約60人が参加した。

 財団は今年、設立から29年目を迎える。奨学生5人への援助から始まり、これまで実人数で400人、25カ国・39大学の留学生を支援。設立翌年よりスタートした交流会は、奨学生同士が交流をさらに深めることで、国際理解・協力の礎となることを目的に開催されている。

 村上昭徳専務理事はあいさつで、財団の成り立ちや活動などを振り返った後、交流会の開催に当たり奨学生OB100人に出席を募ったところ、東京や神奈川など関東圏からの参加を含めて18人が出席してくれたと報告し、謝意を伝えた。また「年末は犯罪や交通事故が発生しやすく、体調も崩しやすい季節。自分の身は自分で守るということを心がけて生活してほしい」と年末の防犯と体調管理に注意を促した。

 交流会ではマジックを通じ交通安全指導などをボランティアで行っている坂本哲也氏のショーや、大阪府警察本部の府民安全対策課によるVR機器を使用した防犯体験などが行われた。

 外国人に対して防犯啓蒙(けいもう)活動を行う際、言葉の壁という問題がある。財団では留学生の日本での暮らしを防犯の面でもサポートしており、これを解決すべく体験で防犯啓蒙活動を行うことができるVR機器を5台、大阪府警に寄贈した。

 体験会では希望者を数名募り、特に女性の留学生に夜道の危険性を伝えるべくVR体験プログラムを行った。体験者はヘッドセットをかぶり、家路につく女性の視点を共有。映像体験を終えた留学生は「知らないうちに男性が接近して怖かった」「歩きスマホの危険性が分かった」などとコメントした。

 体験会の後に行われた府民安全対策課の担当者によるセミナーでは、強制わいせつ犯罪の発生時間帯や場所、主な手口などを紹介し、「暗い道の1人歩きは避ける」「ながら歩きをしない」「防犯ブザーの携帯」「帰宅の際に周囲を確認する」という具体的な防犯対策を伝えた。

 懇親会では、上浦理事長が奨学生たちのグローバルな活躍を祈念して乾杯の発声を担当。OBによる体験発表や、奨学生主体で実施するビンゴ大会などが行われるなか、奨学生同士だけでなく、OBや大学関係者、財団職員らが国や年齢、立場などの垣根を越えて酒食を楽しみ、交流を深めた。当日は、大阪府警の府民安全対策課によるVR機器を使用した防犯体験も行われた。

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