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新型肺炎、オンライン面接脚光 就活での感染対策、提供企業に問い合わせ増加

 新型コロナウイルスによる肺炎が国内で広がる中、就職活動の本格化を前に、パソコンやスマートフォンなどを使ってオンラインで面接を行うサービスに注目が集まっている。就活による感染拡大対策の一環で、1100社以上に同サービスを提供するスタジアム(東京都港区)によると、今月に入って問い合わせは通常よりも3割程度増加しているという。

 2021年春入社の学生を対象にした企業による会社説明会は、3月に解禁され就活が本格化する。しかし、新型コロナウイルスは今後、国内でも感染が広がる可能性があり、従来のような採用活動ができなくなる恐れもある。面接官や就活生にマスクを配ったり、グループ面接の中止などを検討する企業もあるが、採用担当者などが対策としてオンライン面接の導入を検討しているという。

 スタジアムのサービスでは、就活生が志望する企業にエントリーすると、企業側から面接の日程調整のメールが送られ、双方の都合の良い日時に、指定されたURLにパソコンやスマホでアクセスすると、それぞれの画面に相手の姿が映し出され、面接が可能になる仕組み。

 同社の担当者によると、オンライン面接でも本人の志望動機や考え方、表情ややる気など、通常の面接で確認する一般的な事項は十分把握でき、「分からないのは身長とにおいくらい」だという。多少の熱があっても自宅で面接が受けられるため、体調不良で面接の機会を失うリスクが減らせるほか、交通費や宿泊費が必要なくなり、経費をかけずに地方の優秀な学生を獲得できるといった企業側のメリットもある。

 同社が新型肺炎と採用について実施したアンケートでも、過半数の企業が既に影響が出ているか、今後の影響を懸念していた。採用した中国人留学生が、中国国内の大学閉鎖で卒業証明が取得できず、就労ビザが申請できないといった事案も生じていたという。(蕎麦谷里志)

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