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携帯電話大手とプロ野球の協業相次ぐ 無観客の遠隔観戦、収束後も見据え

 新型コロナウイルスの感染拡大で、約3カ月遅れで開幕を迎えたプロ野球で、携帯電話大手との提携が相次いでいる。コロナ禍に伴う無観客試合の映像配信のほか、収束後の現地観戦におけるキャッシュレス決済の導入などを見据える。スポーツ観戦の新しい楽しみ方によって、商用サービスが始まっている第5世代(5G)移動通信システムの活用も加速しそうだ。

 KDDI(au)は17日、横浜DeNAベイスターズとビジネスパートナーシップを締結したと発表した。両社は昨年8月、IT技術を活用した「スマートスタジアム」の実現で提携しており、連携を強化した形だ。

 KDDIは仮想現実(VR)技術を活用し、ベイスターズの本拠地「横浜スタジアム」を仮想空間上に本物そっくりに再現。まるで現地で応援しているかのような遠隔観戦サービスを、今シーズン中にも始めたい考えだ。このほかにも、あらゆる機器がつながるモノのインターネット(IoT)を活用した警備や、ビッグデータを利用した観客誘導、選手の技量をデータ化するなどのトレーニング支援も提供する。

 NTTドコモも18日、阪神タイガースの親会社、阪神電気鉄道との提携を発表した。時期は未定だが、タイガースや阪神甲子園球場でのデジタル技術の活用を検討する。

 グループの阪急阪神ホールディングス傘下のIT企業と取引があった縁で、タイガースから協業の申し出があったという。ドコモでは、複数の球団と交渉していたが、熱狂的なファンが多いタイガースとの提携をいち早く実現させた。

 携帯電話各社が球団との提携を急ぐのは、スポーツが5Gの普及を後押しする有力コンテンツだからだ。5Gでは、手元のスマートフォンで360度、好きな方向から選手をみられたり、複数のカメラから好きな視点を選んで観戦できたりするようになる。現地観戦が解禁された後は、球場の物販でスマホ決済などの導入なども期待できる。

 スマートスタジアムでは、福岡ソフトバンクホークスを所有するソフトバンクグループが先行する。ホークス主催の全60試合を5Gのサービスとして映像配信している。ファウルゾーンまでせり出した特設席に設置したカメラから、選手を間近にみられる視点も用意されており、臨場感のある観戦が可能だ。(高木克聡)

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