講師のホンネ

「テレワークハラスメント」まで登場 世の中に、30以上ものハラスメント

 6月、パワーハラスメントの防止を企業(事業主)に義務付ける法律が施行された。いわゆるパワハラ防止法(中小企業では、2022年4月から施行)。近年、ハラスメントの講演や研修を頼まれることが増えている。また、世の中には、30以上ものハラスメントがあるという。

 ご存じの「セクハラ」「パワハラ」に、妊婦に対しての「マタニティーハラスメント」。「仕事を楽しめ!」と、仕事を楽しむことを強要すると、「エンターテインメントハラスメント」になる。いずれも、コミュニケーション不足から起こるハラスメントの数々。とりわけ、研修では、対人コミュニケーションを中心に行うことが多い。

 新型コロナウイルスの影響から、テレワーク、リモートワークが急増。登場したのは、「テレワークハラスメント」。コミュニケーションを取るつもりで、「君、いいところに住んでいるね」「今日は、スッピンなんだね」と、言葉をかけた際、相手が不快に感じるとハラスメントになる。

 部下が仕事をしているか心配になり、何度も何度も画面にのぞきに来る上司もいるらしい。オフィスならば気にならなかったことも、度々、パソコンの画面に上司の顔が出てくると気になる。それも数分おきに出てくる。「頼むから自分の仕事をして」と、言いたくなる部下。また、いつでも上司から見えるようにカメラを向けておくように指示されている部下もいる。「そんなに部下が信じられないのでしょうか」と、不安と不満を抱いている人もいる。

 逆に、評価の高い上司は、こんな気遣いをしている。(1)決まった時間に朝礼や終礼を行う。(2)うまく行っている事例や会社の状況を共有する。(3)時々のぞいて、「困ったことない」「手伝えることはない」と、さりげなく尋ねてくれる。

 会えない分、みな不安。うっとうしいのは、「子供と過ごすのもいいだろう」とか、「上半身だけきちんとしているんじゃないの」と、仕事とは無関係の言葉を、無神経に投げかける人。いずれにしても、お互いにごきげんに仕事ができるように言葉のやり取りには気をつけたい。会えない分、お互いの立場を思いやって、「たまには、会いたいな」と、お互いに思える関係をつくりたい。(大谷由里子)

【プロフィル】大谷由里子

 おおたに・ゆりこ 奈良県生まれ。1985年、吉本興業入社。横山やすしのマネジャーを務め、宮川大助・花子などのタレントを次々と売り出した「伝説の女マネジャー」として知られる。2016年3月、法政大学大学院・政策創造研究科を修了。「笑い」を用いた人材育成法は、NHKスペシャルや日本経済新聞など多くのメディアで話題に。著書は35冊を数える。

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