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JR東日本 4~6月期発足以来初の赤字 終電繰り上げ来春にも

 JR東日本は30日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う乗客減少が続くとみて、来春ダイヤでの終電繰り上げなどを検討すると明らかにした。時間帯や曜日で差が大きい乗客数の平準化に向けた運賃の変動制やポイント還元の活用も視野に入れる。同日公表した令和2年4~6月期連結決算は、乗客激減で最終損益が1553億円の赤字(前年同期は915億円の黒字)に転落した。4~6月期での赤字は昭和62年のJR発足以来初めて。

 本業のもうけを示す営業損益は1783億円の赤字(同1446億円の黒字)。売上高が前年同期比55・2%減の3329億円だった。鉄道営業収入が4月に前年同月の4分の1まで減少するなど4~6月期のコロナ禍による減収影響は約3980億円に達した。

 厳しい経営状況を受けて5月から始めていた役員報酬返上を10月まで延長。また広告宣伝費抑制などで1千億円のコスト削減を年度内に進める。ただし採用停止などは行わない方針だ。

 一方、新型コロナの影響で最終電車の混雑率が半減する路線も出てきたことから、来春のダイヤで終電時間の繰り上げや始発電車の繰り下げを全路線で検討する。また、時間帯などで異なる利用者数を平準化してコスト削減を図るため、運賃を柔軟に変動させる制度を検討する。しかし変動制運賃は導入に2~3年かかるとみられ、通勤ラッシュを避けるなどした場合にJR東日本のポイントが還元される制度を年内に導入する方向だ。

 令和3年3月期の業績予想は、新型コロナの影響で今後の収入動向が不透明なため、未定とした。赤石良治常務は「7月の4連休も需要が伸びていない。お盆の予約も非常に厳しい。8月の利用状況を見た上で、(業績予想を)速やかに発表したい」と述べた。

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