現場の風

コーヒー豆のかすで“エコな衣料” 三陽商会「ECOALF」

 三陽商会 事業本部コーポレート・エコアルフビジネス部エコアルフ企画課長  下川 雅敏さんに聞く

 --アパレルブランド「ECOALF(エコアルフ)」の企画を担当している

 「環境への配慮やサステナビリティー(持続可能性)を前面に出した欧州発のブランドで、再生素材や環境負荷の低い天然素材のみで製造しており、日本では三陽商会が今年3月に展開を始めた。これまで海洋プラスチックごみを再生したシューズやウエア、漁網由来の再生ナイロンを使ったウエアや雑貨、タイヤから作ったビーチサンダルなどを扱ってきた」

 --9月末に新商品「カトマンドゥ マルチジャケット」を発売した

 「コーヒー豆のかすを1着当たり約40杯分、生地の原料に使っている。インナーとして着用可能な中綿ジャケット付きで3通りの着方が楽しめ、撥(はっ)水(すい)性と耐水性を備えているので雨の日やアウトドアでの着用にも適している。家庭での洗濯も可能だ。コーヒー豆のかすは、消臭剤として使用されることもあり、脱臭効果や速乾性が期待できる」

 --アパレル産業は世界の天然資源を大量に使い続けており、環境負荷低減の責任が問われている

 「無駄な製品の消費や資源の浪費を減らすことが重要だ。そして環境に配慮したモノづくりを行い、それを消費者に発信することで、消費者の消費行動も変えていく必要がある」

 --新型コロナウイルスの感染拡大で業界全体が苦しんでいる

 「販売機会が減り、在庫削減が喫緊の課題となっている。その中で持続性を売りにしたこのブランドがどこまで浸透するかは正直分からないが、地球のことを考え、人々の生活や健康を豊かにすることを目指すブランドの哲学や活動を伝えていきたい」

 しもかわ・まさとし 福岡大法卒。2006年三陽商会入社。ニューヨーク支社での海外事業やマッキントッシュブランドの企画・マーチャンダイジングなどを経て、19年9月から現職。奈良県出身。

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