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楽天出店者組合、送料無料化に法的措置も「告知期間が短い」

 楽天グループが運営するインターネット通販サイト「楽天市場」の一部出店者でつくる任意団体「楽天ユニオン」が、楽天側の一方的な契約約款の変更に対し、法的措置を含めた対応を検討していることが12日、分かった。楽天は5月、出店者に事前告知せずに、出店プランを変更する際には商品の送料無料制度への参加を義務化しており、楽天ユニオンは独占禁止法や民法に抵触する懸念を指摘している。

 送料無料制度は利用者が3980円以上の商品を購入すれば送料を無料とする制度。送料は出店者が負担する。楽天は昨年3月、全出店者を参加させる方針で開始したが、公正取引委員会から独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いがあると問題視され、一律の導入を見送った。

 しかし、楽天は今年5月10日、出店者が出店プランを変更する場合は制度の導入を義務化するように約款を変更した。楽天市場の出店者は、出品できる商品数などに応じて3段階の出店プランから選択して楽天と契約しており、出店者が事業の拡大や縮小をしようとすれば、送料無料制度に参加せざるを得なくなる。

 楽天ユニオンによると、約款変更の事前告知はなく、5月前後に出店プラン変更を検討していた店舗にも説明はなかったという。

 有利な立場を利用して取引先に対して不当に不利益を与える行為は独禁法(優越的地位の乱用)にあたるほか、民法でも令和2年の法改正で約款を一方的に変更することは禁じられている。楽天ユニオンは出店者から聞き取りを行い、今後の対応を検討する。公正取引委員会も事態を把握しているとみられる。

 反発を受け、楽天は義務化を一旦凍結し告知期間を設けた上で、7月1日に再開する方針。ただ、楽天ユニオンは「告知期間が短く、状況は改善していない」としている。

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