東京パラリンピックで米国内の独占放映権を持つ米メディア大手NBCユニバーサル(NBCU)は、13日間の大会期間中にテレビで200時間超、インターネットのストリーミングで1000時間超の放映を行う。前回リオデジャネイロ大会の70時間、前々回ロンドン大会の5時間半から大幅に伸びた。米オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は「障害者スポーツの普及を目指すNBCUの継続的な意思を示すものだ」と評価する。
オリンピックに続く無観客開催となり、NBCUなどは大会を盛り上げるため、関係者向けパブリックビューイングの会場をUSOPC本部がある西部コロラド州に設けた。招待した選手の家族や友人が一堂に会して応援する姿を中継することで熱気を伝える。
米国は、今大会で最大規模の代表選手団約240人を派遣し、リオで獲得したメダル115個に匹敵する成績を目指す。過去4大会でメダル23個を獲得し「パラ競泳界の女王」と呼ばれるジェシカ・ロング(運動機能障害)ら有力選手に注目が集まっている。
一方、視覚と聴覚に障害がある競泳女子の有力選手ベッカ・マイヤーズが個人アシスタント(PCA)の母親の同行が認められないとして棄権。新型コロナウイルスの影響でチームに同行できるPCAの数が制限されたためだという。米メディアは「パラリンピックですら障害者の声を聞かない」と批判している。(ニューヨーク 平田雄介)