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経団連、ワクチン接種で入国時の隔離免除など提言 社会経済活動を正常化へ

 経団連は6日、新型コロナウイルス禍の下で社会経済活動を正常化させるための提言を発表した。新型コロナワクチン接種を済ませた入国者の隔離免除や、一般病院での診療検討などを求めた。デルタ株などの変異株が次々と生まれ、感染が収束しない状況下でも、重症者や死亡者を減らしながら社会経済活動を正常に戻すことを目指す。

 発表したのは「ウィズコロナにおける社会経済活動の活性化に向けた提言」。感染拡大を防ぎ、医療体制の逼迫(ひっぱく)を解消するため、政府や経済界、国民などが一丸となって対策に取り組む必要があると指摘。さらに感染拡大が落ち着いた段階で社会経済活動を再開できるよう、早期の対策検討を求めた。

 帰国・入国後の隔離措置については、ワクチン接種の有無にかかわらず、日本への全入国者に対して14日間の隔離期間を最長10日間に短縮すべきだと訴えた。また、2回目の接種から2週間が経過している人への隔離免除も早急に検討すべきだとした。

 一方、抗原検査の簡易キットを薬局などで販売できるようにする規制緩和や、重症化率が下がった段階における指定機関以外の病院や診療所での患者対応を要求。ほかにも臨時の医療施設を確保するため、経団連としても日本医師会と協力し、企業が保有する研修施設や体育館などを提供するとした。

 経団連の十倉雅和会長は6日の記者会見で「(国民がひと通りワクチン接種を済ませた後も)一定程度の感染は避けられないので、今から社会経済活動の再開に向け必要な対策を講じていく必要がある」と説明。同日夕方には首相官邸を訪れ、菅義偉首相に提言書を手渡した。

 経団連はこれまでも接種済みを公的に証明するワクチンパスポートの早期活用などを提言してきた。

 コロナ禍が長期化の様相を呈する中、経済界からは意見表明が相次いでいる。経済同友会の桜田謙悟代表幹事は8月31日の会見で、「(接種の)義務化や一段のインセンティブ(動機づけ)に向けた議論があっていい」と発言。日本商工会議所の三村明夫会頭も、2日の記者会見で同様の対応を求めた。

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