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マツダ社長“ロータリーEV”来年販売 エンジン開発継続
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マツダ「RX-8」は生産終了するが、水素を活用したロータリーエンジンの開発は継続する マツダの山内孝会長兼社長は5日、フジサンケイビジネスアイとのインタビューで、独自の環境技術「スカイアクティブ」に対応した変速機やエンジンの海外生産と、他の自動車メーカーへの外販を検討していることを明らかにした。外販によって同技術関連の投資の回収を早め、収益改善につなげる狙いだ。
スカイアクティブは、通常のエンジンでハイブリッド車(HV)並みの低燃費を実現できるマツダの新技術。現在、同技術の基幹部品であるエンジンや変速機はすべて国内工場で生産し、全量を自社の新型車に活用している。
山内社長は、変速機については、中国政府から河北省唐山市の大規模工業団地「曹妃甸(そうひでん)エコシティー」での製造を要請され、「複数の自動車メーカーから採用の申し入れがある」と明らかにした。
エンジンについても海外メーカーから引き合いがあり、両部品について「中国、タイやメキシコなども含め、海外生産を検討する」とした。
また、水素を燃料としたロータリーエンジンで発電する電気自動車(EV)を来年リース販売することも明らかにした。唯一のロータリーエンジン車「RX-8」の生産は今月終了するが、水素を活用した同エンジンの開発は継続する。
2012年3月期に4期連続の最終赤字を計上したマツダは、独自技術による商品力の強化のほか、小型スポーツカー分野でのイタリアの自動車大手フィアットとの協業や、スズキの軽ワゴン車「パレット」のOEM(相手先ブランドによる生産)調達などの提携戦略で経営再建を急いでいる。(平尾孝)