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【eco最前線を聞く】物流計画に気象データ CO2排出削減も

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【eco最前線を聞く】物流計画に気象データ CO2排出削減も

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 □日本気象協会 事業本部防災ソリューション事業部技師・中野俊夫氏

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 日本気象協会は2014年度から実施している、気象情報を基に企業の生産活動や物流を最適化する「需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流プロジェクト」を通じて、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減してきた。プロジェクトのリーダーを務める事業本部防災ソリューション事業部の中野俊夫技師に聞いた。

 ◆体感温度など指数化

 --プロジェクトの基本的な考え方は

 「例えばコンビニでは、その日にどんなものが売れそうかを、店長が気象情報などを基に判断し、本部などに発注をかける。ただPOS(販売時点情報管理)などによるデータの蓄積はあるものの、最終的な判断は店長の経験と勘に頼らざるを得ない。効率化を図るためには、気象も含めたデータを活用したオペレーションが必要だと考えた」

 「日本気象協会といえば、気象庁との連携のイメージが強いと思われるかもしれないが、09年に国土交通省所管に財団法人から一般財団法人に移行して、産業界との連携にも組みやすくなった」

 --具体的な内容は

 「プロジェクトの初年度は『情報の見える化』がテーマだった。豆腐製造の相模屋食料(前橋市)などと共同で、豆腐の食品ロス削減に取り組んだ。豆腐は生産に最低でも2日かかるが、小売り現場からの発注が前日のため、経験則での見込み生産をする必要があった。また気温だけでなく、曜日、特売の有無でも売れ行きが変わる。そこで前週と今週の気温、体感温度や天気などを基に指数化した『寄せ豆腐指数』を考案した。これを活用してもらったところ、食品ロスが30%削減できたという」

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