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【ビジネス解読】訪日観光に忍び寄る“中韓リスク” 危険度上位の都道府県は

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 中国人が6割超の県も

 世界銀行は、今月まとめた世界経済見通しで、今年の中国の実質成長率の伸びを、米国との貿易摩擦の影響を踏まえて従来予想から0.1ポイント減の6.2%に下方修正。18年見通しの6.5%成長から減速すると見込んだ。

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 実際、中国国家統計局と中国物流購買連合会が昨年末に発表した12月の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は49.4と、2年10カ月ぶりの低水準に悪化し、好不況を判断する節目の50を割り込んでいる。習近平政権は、金融機関から強制的に預金の一定割合を預かる預金準備率の引き下げなど、金融緩和による景気下支えに動いているが、貿易摩擦が激化すれば影響の拡大は避けられない。

 訪日外国人消費額(17年実績)で中国の比率は38.4%と最大だけに、中国の個人消費の冷え込みは日本の景気にも水を差す。 例えば、観光庁の宿泊旅行統計調査(17年1~12月)の外国人延べ宿泊数の国籍・出身地別実績を都道府県別にみると、静岡県は中国が実に64%を占める。次いで愛知県(45%)、山梨県(43%)、三重県(41%)も中国比率が4割を超えており、中国からの旅行者の客足や消費が落ち込めば地域経済にかなり悪影響が出る可能性がありそうだ。

 また、中国経済の失速が避けられたとしても米国との摩擦の長期化は別のリスクに着火する恐れもある。

このニュースのフォト

  • 中国の習近平国家主席=1月2日、北京(AP)
  • 外国人観光客らでにぎわう浅草の仲見世=平成30年10月16日、東京都台東区(飯田英男撮影)
  • 「爆買い」の中国人観光客でごった返す静岡空港ターミナルビル(田中万紀撮影)

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