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【ビジネス解読】韓国・文在寅大統領“公約断念”陳謝 行き詰まる「ポピュリズム経済政策」

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【ビジネス解読】韓国・文在寅大統領“公約断念”陳謝 行き詰まる「ポピュリズム経済政策」

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 朝鮮日報電子版によると、全国7万店のコンビニ経営者が加入するコンビニ加盟店協会は、同時休業も辞さない姿勢で最低賃金政策の見直しを政府に迫り、約350万人の零細事業者を代表する小商工人連合会は「法律違反になったとしても最低賃金法は守らない」と不服従を宣言。このまま労務負担の急増と労使の対立状況が続けば、外資が逃げ出す資本流出も現実味を帯びてくる。米自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)が韓国法人の撤退を検討し、5月に現地工場の一部を閉鎖した背景に労務負担増と険悪な労使関係があったことを思い出してほしい。

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 文氏が最低賃金の公約達成を断念し、経済指標予測の下方修正に踏み切ったことは現実路線への軌道修正ともみえるが、悪いことにポピュリズム経済政策は一端、手を染めてしまうと簡単には止められないらしい。

 というのも、最低賃金引き上げの副作用による雇用不安などをカバーするため、文政権が持ち出したのが、税金を投入し低所得層や高齢者の所得を補うバラマキ政策の強化なのだ。

 低所得者世帯に税金還付方式で給付を行う「勤労奨励税制(EITC」の対象と支給額を現在の2倍に拡大するほか、基礎年金の引き上げ計画を前倒しで実施することなどが柱だ。

 しかし、この所得支援策は、勤労奨励の拡充だけで3兆8000億ウォン(約3800億円)の財源が必要で、個別消費税の一時引き下げなど他の関連措置を含めると財政支出は10兆ウォン(約1兆円)に達するとの見方も出ており、財政悪化につながりかねない。

 支持層の受けが良い政策だけを泥縄式に続けるポピュリズムの先にあるのは韓国経済の自壊ではないか。文氏は支持層に偏重した経済政策の限界を自覚するべきだろう。もちろん、トランプ大統領もだ。(池田昇)

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  • 雇用確保を求めてデモを行う韓国の建設労働者=7月12日、ソウル(AP)
  • 雇用確保を求めてデモを行う韓国の建設労働者=7月12日、ソウル(AP)

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