伝え方や言い回しを変えると、自分を取り巻く環境が変わり、やってくるチャンスも変わっていきます。みなさんは自分のコミュニケーションに自信がありますか? この連載ではコミュニケーション研究家の藤田尚弓が、ビジネスシーンで役立つ「最強のコミュニケーション術」をご紹介していきます。
第6回は「依頼」がテーマです。ビジネスシーンはもちろん、プライベートでも、人に何かを頼むという機会は少なくありません。みなさんは普段どんな工夫しているでしょうか。頼んだことを承諾してもらうには伝え方が大切です。これまで勘だけでやってきた人は、頼み方のせいで損をしているかも知れません。この機会に様々な依頼の仕方をチェックしておきましょう。
ハッキリ言うのは気が引ける 察してもらいたいとき
人に何かをお願いするというのは「図々しいと思われないか」「借りができる」「断られたら嫌だ」などの心理的負担が伴います。ハッキリと口にできない人は、こんな頼み方から試してみませんか?
1. 察してもらう 「~じゃない?」
〈こんなときに便利〉
クーラーが効き過ぎている部屋で温度を上げてほしい
「この部屋かなり涼しくない?」
「温度を上げてほしい」といったストレートな依頼はせずに、現状への同意を求めることで察してもらう伝え方です。察してもらえない場合には「実は今風邪気味なんだよね」といったダメ押しを。
2. 規範や大義にからめる 「○○としてやっぱり」
〈こんなときに便利〉
寄付をしてほしい
「人としてやっぱり飢えで死んでしまう子どもたちは見過ごせないよね」
社会規範や大義にからめて同意を求めるやり方です。「人として」「親として」「社会人として」「管理職として」など、意外にバリエーションは豊富。