働き方

日本人は有休を「取りたがらない」のか、それとも「取れない」のか (1/4ページ)

 世界各国の有休取得について調べた最新の調査で、日本の有休消化率は50%とワースト1位。3年連続世界最低を更新してしまった。ワースト2位・オーストラリアの70%とは大きな差で、ドイツ、フランスなど30日を100%取得する国々には遠く及ばない。GWやお盆、年末年始に“みんなで休む”なら怖くないのに、有休は及び腰。そこに日本社会の働きにくさ、生きづらさが見える--。

 休みの取りやすさは転職のポイント

 日本、米国いずれも8月は夏休みのトップシーズンだ。長めの休暇を取得して、家族連れで国内外へ旅行し、たまった疲れやストレスから解放されたいと願うのは、米国人も同様。では、働き方の対極にある休み方、さらには余暇の過ごし方に日米両国で違いはあるのだろうか。

 「とにかく、毎夏の旅行を心から楽しみにしている。ビーチで寝そべる時間を思い浮かべ、それを目指していくからこそ、仕事を頑張れる」

 メーカーに勤務する40代男性は、上級管理職であるマネジャー。朝から夕方まで仕事漬けの毎日だ。ただ、仕事に忙殺されながらも、夏のバカンスが頭から離れることはない。例年、夏休みは2週間ほど取り、バハマやカンクンなどのカリブ海リゾートや、コスタリカなど中南米に出掛けることが多いという。休みを取得する日を決めたら、それに向かって、さらにギアを上げて働き始めるそうだ。

 有休はすべて消化、夏休みは2週間

 別のメーカーで働く50代女性も毎年、バカンスは海外で過ごしている。数年に1度、欧州を訪れており、心身ともにリフレッシュ。以前は病院勤務で、なかなか長期休暇は取りにくく、常にストレスをためていた。彼女によれば、転職を日常的に繰り返す米国人は、新たな会社を選ぶ際、休みの取りやすさは重要なポイントになるという。「その点は、日本と多少、状況が異なるのかもしれないね」と漏らす。

 「有休は毎年、すべて消化している。労働者の権利だから当然だ。長時間労働とは無縁だし、たまに在宅勤務も入れるので、メリハリをつけて働けている。そして、毎夏のバカンスがご褒美」。金融機関勤務の30代独身女性にとって、日々の仕事に対する発奮材料は、夏のバカンスだという。今年の夏休みは2週間、日本を訪れる予定で「暑さは承知しているが、のんびり過ごしたい」と遠距離移動をものともせず、心躍っている様子だ。

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