2020春闘

基幹労連、20年度ベア月3000円要求 業績悪化で前回3500円を下回る

 鉄鋼や造船重機などの労働組合で構成する基幹労連は4日、2020年春闘方針を発表した。従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)に相当する賃金改善の要求額として、20年度に月額3000円、21年度は3000円以上を基本とするとした。5日開催の中央委員会で正式決定し、7日に主要企業の労組が会社側に要求を提出する予定だ。

 基幹労連の春闘交渉は2年ごとに行われる。基幹労連は前回の18年春闘で、18年度に3500円、19年度は3500円以上を要求していた。20年春闘方針は、米中貿易摩擦など世界経済の不透明感を背景に各社の業績が悪化していることを踏まえ、前回を下回る水準となった。

 春闘方針では、60歳以上の労働環境整備に向け、21年度から65歳定年制度の導入を目指して取り組むとも明記。具体的には、労使の協議の場が未整備の労組で設置を求めるほか、先行する労組では一貫した雇用形態となる新制度を導入するよう要求していく。

 神田健一中央執行委員長は4日の記者会見で「今回の春闘は極めて厳しい。先々を見据えつつ、足元の原動力の活気をつくるため取り組んでいく」と述べた。ただ、要求額は基幹労連内の業種が多様化する中、各労組が統一して取り組める「下限の水準」という意味合いも強い。統一要求の意義について、神田氏は「中小の組織まで波及できるような取り組みは、まとまって示すべきだ」と語った。

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