働き方

「ウィズコロナ」の内定式、対策に腐心

 埼玉県内の多くの企業で1日、来年4月入社予定の学生を集めた内定式が開かれた。新型コロナウイルス感染防止対策としてオンラインによる開催に切り替える動きが出たほか、対面形式の式を行った企業でも、「密」を回避するなどの対策に苦慮した。

 埼玉りそな銀行(さいたま市浦和区)は、グループ合同の内定式をオンライン形式で行い、内定者435人が自宅からパソコンなどを通じて参加した。

 持ち株会社の、りそなホールディングスの南昌宏社長は「新型コロナウイルスの影響は長期戦を覚悟する必要があるが、来年4月に再会し未来に向けて一緒に頑張ろう」と激励した。

 内定者を代表してあいさつした女子学生(22)は「コロナ禍の就職活動で、面接がオンラインになるなど異例尽くしの選考だった」と振り返り、「それを乗り越え、ここにいる内定者と働く仲間になれたことをうれしく思う」と感慨深そうに語った。

 一方、LPガス製造・販売のサイサンは、さいたま市大宮区の本社で内定式を行った。

 とはいえ、例年とは様相が大きく異なる。出席者の席の間隔をとって式を開催した上で、恒例の食事会は取りやめた。記念撮影も、1カ所に集まる従来のやり方だと「密」になるという理由から、各自が席についたままで行った。

 それでも、対面形式にこだわったのには理由があるという。同社の担当者は「オンラインでは一度に限られた人数しかしゃべることができず、一人一人の個性が埋もれやすい。学生にとって大事な節目なので『リアル』での開催を選んだ」と説明する。

 参加した男子学生(21)は「直接社長の話を聞き、いよいよ社員になるんだという自覚が高まった。身が引き締まる思いだ」と話した。(竹之内秀介、中村智隆)

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