働き方ラボ

テレワークの普及は無駄に終わるのか? 宣言解除で自由度向上、進化はこれからだ (1/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 Appleの新製品が発表された。ノートPCのMacBook Pro、ワイアレスイヤホンのAir Pods、スマートスピーカーのHomePod miniなどが登場し、それぞれ想像以上の仕上がりだった。特にMacBook Proは、「ここまで高性能でなくてもいいのに…」と思えるほどのハイスペックだった。SNSを開くと知人がそれを「全部入り」、つまり、MAXのスペックまでカスタマイズし購入していて驚いたのだが。

「テレワーク=在宅勤務」ではない

 ふと思い出した。10年ほど前に、ノマドというムーブメントがあったことを。所属や時間、場所にとらわれない働き方として注目されていた。突き詰めるとフリーランスとほぼイコールなのだが、ノマドは働き方というよりは生き方だった。彼ら彼女たちは、コワーキングスペースやカフェなどで仕事をしていた。よく、カフェでMacBook Proに向かう様子を見かけたものだった。

 9月30日の期限で緊急事態宣言が全面的に解除され、以前よりも出勤する人が増えたようだ。「これでテレワーク生活も終わりか…」と心配する人もいることだろう。たしかに、2019年までの働き方への回帰を目指す企業もあるかもしれない。しかし、やや希望的観測ではあるが、日本の働き方がさらに進化するのはこれからだと私は見ている。緊急事態宣言が発令された状態では、移動の自由度や、外部の施設の利用に制約があった。今後はこれらの自由度が増すので、働き方の選択肢が増えるのである。

 テレワークは本来、3種類に分かれる。在宅勤務、モバイルワーク(直行直帰で働く営業担当者など)、サテライトオフィスワーク(オフィス、自宅以外の場所での勤務)だ。新型コロナウイルス・ショックにより、事実上在宅勤務一択だったという人も多いことだろう。この自由度のアップにより、テレワークはさらに進化するのではないかと私はみている。いかに組み合わせるか、これが大切だ。

 中でも特に気になっているのは、宣言解除によりサテライトオフィスの活用がどれだけ進むのかということだ。オフィスでも、自宅でもない第三の場所は、より仕事にも集中できるし、気分転換にもつながる。ちょうどNTTグループが転勤の見直しなど、新しい働き方を取り入れると表明し、話題になっていた。個人的には、全国各地にサテライトオフィスを多数用意するという施策が気になっている。

 テレワーク=在宅勤務というわけではない。家族への影響も考えなくてはならない人にとって、自宅で仕事をすることが必ずしも快適であるとは言えない。企業によっては自前のサテライトオフィスを用意していたり、法人としてシェアオフィスなどを契約している場合もある。アフターコロナは、在宅勤務よりもサテライトオフィスの推進による変化の方にむしろ期待している。

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