最古の太鼓形埴輪 大阪・今城塚古墳で出土 大王の儀礼明らかに

    6世紀前半の陵墓で、真の継体天皇陵とされる今城塚(いましろづか)古墳(大阪府高槻市)で最古の太鼓形埴輪(はにわ)が出土し13日、市が発表した。太鼓だけの埴輪の出土例は、6世紀中頃の百足(むかで)塚(づか)古墳(宮崎県新富町)のみだった。6世紀前半に、大王の儀礼で太鼓が重要な役割を担っていたことを示すという。

    今城塚古墳から出土した太鼓形埴輪=12日午後、大阪府高槻市(沢野貴信撮影)
    今城塚古墳から出土した太鼓形埴輪=12日午後、大阪府高槻市(沢野貴信撮影)

    出土したのは胴部や叩(たた)き面などの破片で、3個分の太鼓とみられる。叩き面の直径は約20センチ。叩き面には鋲(びょう)(直径1・2~2センチ)も表現されている。

    今城塚古墳は6世紀前半の前方後円墳。太鼓形埴輪は、230点超の形象埴輪を配列して儀礼の場面を再現したとみられる埴輪祭祀(さいし)場(長さ約65メートル、幅約10メートル)から出土。周辺には巫女(みこ)の埴輪や「楽坐(がくざ)」と呼ばれる、何らかの楽器の演奏者の埴輪なども見つかっている。

    市立今城塚古代歴史館の森田克行・前特別館長(考古学)は「鋲留めの太鼓を使って大王の儀礼を盛大にしていた可能性がある。国内で太鼓が登場した時期は不明だが、今回の発見で6世紀前半には存在していたと裏づけられた。日本の楽器史を知るうえで貴重な資料」と話している。

    太鼓形埴輪は、16日から同館で開催される開館10周年記念特別展「大王墓 今城塚古墳の実像」で公開される。


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