「ド・ドドンパ」安全問題混迷 富士急ハイランドと山梨県、平行線

    ジェットコースター「ド・ドドンパ」で利用客が首の骨折などを訴えたことから始まった富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)の「安全問題」が混迷を深めている。先月22日、複数のコースター利用で、2人の女性から負傷したと申し出があったことを重く見た山梨県はコースターの運行停止の要請に踏み切った。ハイランド側は「負傷は園内で生じたものではない」として要請には応ぜず、両者の言い分は平行線をたどっている。

    富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」=山梨県富士吉田市(富士急ハイランド提供)
    富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」=山梨県富士吉田市(富士急ハイランド提供)


    「来園者の負傷の原因などが特定できていないまま運行を続けている。来庁しての説明を求めたが、応じず、不誠実な対応だ」

    1日に臨時会見を開いた山梨県の長崎幸太郎知事は、厳しい口調で運行停止要請の理由を説明した。さらに、今回の要請では法的な拘束力はないものの、状況が改善しない場合は「法的な処置もあり得る」と強調した。

    県では先月22日に公表した負傷事案の説明のため、ハイランド側に29日の来庁を求めていた。ところが、ハイランドの総務部長が「説明することは何もない」として拒否。そのため、県は同日付で運行停止要請を出した。

    1日の知事会見を受け、ハイランド側も岩田大昌社長が、同日、緊急に記者会見。現状の対応を説明した。ハイランド側の説明によると、先月22日に公表したケースは、専門医が「2人とも園内の施設による負傷とは認められない」と結論付けたという。さらに、この2人に対し、負傷と「FUJIYAMA」や「高飛車」などのコースターとの因果関係がないと説明し、了承を得たとした。同時に県には24日に、メールで調査の状況を説明しているとしている。

    県の言い分はハイランドと食い違う。ハイランドは24日に専門医の判断を県に連絡しているが、県の担当部署によると「園内で負傷したとは特定できない」という表現にとどまり、園内での負傷の可能性も捨てきれない表現だというのだ。また、24日には大観覧車のドア閉め忘れトラブルでハイランドが緊急記者会見をしているが、この際も、ハイランドの説明は「22日の負傷申し出は専門医が調査しているが、園内で負傷したとは言い切れない」という表現をしており、園内での負傷を全面否定するものではなかった。


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