睡眠薬混入の小林化工が生産拠点を譲渡 後発薬大手サワイに

    ジェネリック医薬品(後発薬)大手のサワイグループホールディングス(HD)は3日、爪水虫などの治療薬の製造過程で睡眠導入剤成分が混入する問題が発覚した「小林化工」(福井県あわら市)から、後発薬の工場と関連部門の人員を譲り受けると発表した。譲渡額は非公表とした。

    小林化工本社
    小林化工本社

    サワイグループHDは3日に新会社「トラストファーマテック」を設立し、あわら市内の工場や研究施設、物流センター、関連する従業員を受け入れる。令和4年3月末に譲渡を完了し、5年4月から製品の出荷を始める。

    後発薬は大手の日医工や小林化工の品質不正が相次いで発覚し、供給不足の状態が続いている。サワイグループHDは工場の取得で生産能力を強化する。

    同日、大阪市内で記者会見を開いた同HDの沢井光郎会長は「国内のジェネリック医薬品に対する信頼の低下や供給不安が続いた。必要とする全ての方々に対し、安全で高品質な製品を安定的に届けたい」とした。

    小林化工では爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題が発覚。意識消失や記憶喪失などの健康被害が発生した。3年2月に福井県から116日間に及ぶ業務停止命令と、業務改善命令を受けた。


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