東北でもお歳暮商戦が本格化、「巣ごもり需要」期待

    東北各地の百貨店でお歳暮商戦が本格化している。宮城県の百貨店では、新型コロナウイルスの影響で贈答用だけでなく、自宅での「巣ごもり需要」を見込んだ商品が人気に。コロナ禍での外出自粛などの反動で消費が増える「リベンジ消費」にも期待がかかる。

    お歳暮商戦でにぎわう藤崎のギフトセンター=9日、仙台市青葉区(大柳聡庸撮影)
    お歳暮商戦でにぎわう藤崎のギフトセンター=9日、仙台市青葉区(大柳聡庸撮影)

    仙台市の老舗百貨店「藤崎」(同市青葉区)では中華料理店「楽・食・健・美-KUROMORI-」(同市太白区)の総菜3種詰め合わせ(7560円)など合計で約1600点を用意した。「コロナ禍の需要として、外食でしか味わえない商品が人気」(広報担当者)になっている。

    また、巣ごもり需要が高まっているため、酒類など自宅限定の商品も前年比で約15%多い約270点を取りそろえた。コロナ禍で昨年、今年と自宅向けの売り上げは伸びているという。

    一方、「仙台三越」(同市青葉区)も「コロナ禍で自宅で食べるニーズが高まっている」(広報担当者)として、酒類や鍋物など自宅限定商品について過去最多の159点を用意した。

    また、環境保護意識の高まりを受け、今年から「みらいへつなぐ贈りもの」と題し、サステナブル(持続可能)な商品を特集。自然環境と共生する県北部に広がる地域で、世界農業遺産に認定された「大崎耕土」で生産された米を使った、米粉カップスイーツなどを取りそろえる。

    藤崎が21日まで本館7階、仙台三越は22日まで本館7階にギフトセンターを設けている。

    お歳暮など東北地方の個人消費について、七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友(やすとも)上席研究員は、「(変異株の)オミクロン株が確認されたが、所得や消費マインド(心理)は崩れていない」と指摘。その上で「ガソリンや灯油の値上がりなど物価が上昇傾向にあり、節約志向が高まるリスクがある」としている。(大柳聡庸)


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