「僕の母親の味をジョイフルさんが忠実に再現」
ヒカルさんとジョイフルのコラボ第2弾となる新商品は「ヒカル考案 冗談抜きで旨いおかんの唐揚げ」だ。同社の担当者は「ヒカルさんのご実家に社長や商品開発の担当者が2度お伺いし、ヒカルさんのお母さまから調味料や作り方を直接教わりました。何回も何回も作り直して、最後にヒカルさんに『これなら問題ない』と商品化のご許可をいただきました」と振り返る。
ヒカルさんと言えば、お笑い芸人の宮迫博之さん(51)と共同で高級焼肉店「牛宮城」の開店を目指していたものの、オープンを控えた試食会で味や盛り付けなどに納得せず、経営からの撤退を表明したことで話題になった。それほど食にも厳しい“こだわり”があるようだ。国民食ともいえる唐揚げだが、それだけに奥が深い。ヒカルさんが「おかんの味」と認めるまでには紆余曲折(うよきょくせつ)があったことがうかがえる。
ジョイフルによると、新商品のこだわりポイントはまずヒカルさんの母親直伝の「特製ダレ」。砂糖と酢を使うことで深いコクとさっぱりした後味を実現し、にんにくを使わず、クセのない唐揚げに仕上げたという。さらに、2種類のソースで「味変」を楽しめるのも特徴だ。第1弾の「ヒカル考案 冗談抜きで旨いハンバーグ」でも使用され人気を博した「ハニーマスタードソース」のほか、ヒカルさんが姫路市の実家で過ごしていた頃、よく唐揚げにつけていたというソースを忠実に再現したという。
ジョイフルの担当者は「ヒカルさんからは『もっと味を濃くしてほしい』とか『酸味を加えてほしい』とかその都度ご指摘をいただき、何度も修正しました」と話す。同社の開発陣が約2カ月かけて完成させた自信作だという。
米動画投稿サイトのYouTubeが11月に発表した推計によると、ユーチューバーらに広告収入を分配することなどを通じ、2020年に日本では2390億円の経済効果が生じたという。経済効果にはコンテンツを提供するユーチューバーやメディア企業、音楽業界への支払いのほか、コンテンツ制作に必要な商品やサービスの売り上げ拡大といった間接的な効果なども含まれる。
ヒカルさんは動画を通じ、「僕の母親の味をジョイフルさんが忠実に再現してくれ、すごくおいしいものができあがりました」とコメントした。「ヒカル考案 冗談抜きで旨いおかんの唐揚げ」は6個入りの定食が税込834円、9個入りが同1054円で販売(一部店舗は販売価格が異なる)。また、唐揚げ弁当やオードブルといったテイクアウト・デリバリー商品も展開されるという。
ヒカルさんが10月に同社のアンバサダーに就任してから最初の商品。それだけに、同社関係者は「われわれとしてもハンバーグを超える売り上げを出さないといけないと思っている」と意気込む。人気ユーチューバーとファミレスチェーンのコラボ第2弾は、はたしてどのような経済効果を生むのか。ヒカルさんファンだけでなく、飲食業界の注目も集めそうだ。