日本の最初の印象は… ロシア人ビジネスマンが見た日本

    アレックスさん:フリーランスになってからは、本当に色々なことをやりました。芸能界からも声がかかり、モデルをやったりもしていましたね。造船所時代の経験を活かせる重工業の海外マネージャもしていました。

    アレックスさん
    アレックスさん

    あしや:それぞれの分野での適応能力がすごいですね。

    アレックス:貧乏暇なしってわかります?それですね。

    −−時が経ち、周囲は安定して高い給料をもらっている中、その日暮らしのフリーの生活に不安を感じ始めていたアレックスさん。偶然、昔経営していたバーにいた人物と連絡を取ったことで、状況が変わり始めます−−

    アレックス:その人に久しぶりに連絡したら「ロシアとビジネスをしたい」と言い出したのです。そのような人はたくさんいましたが、彼にはアイデアが本当にたくさんありました。そうしてロシアで、今私が取締役を務めるADAPTYを設立しました。最初は主にお酒やおつまみ等の輸出入関係の仕事をしていました。富山港で通関の仕方や輸入のルールを学び、木材、健康食品、サプリ等も輸入していました。前例がないものを運ぶのは、書類上非常に難しかったです。

    例えば、とある日本産健康食品をロシアに輸入するには、「自由販売許可書」が必要になります。この書類を日本側が発行するには、「ロシアにその製品を輸入したことがある」という前例が必要です。前例がなければ、その書類の提出はできません。これってどういうことかわかりますか?

    あしや:いつまでも前例がないままで、永遠のループですね(笑)。

    アレックス:こういうことがあるので、前例のない商品の輸入はかなり難しいです。書類を血眼で見て、色々な手続きをし、困難の末に輸出入が成功できるのです。

    あしや:逆に、ロシアから日本に輸入する時はどうなんですか?

    アレックス:例えば、ビヒター(ロシア式サウナで使用するほうき)を輸入するときは、「これは木材?」「虫がついていないか」等、植物検疫所から色々な細かい質問をされます。そもそもこのビヒター、どこで誰が作っているかとか、考えたことありますか?

    あしや:そういえば、ロシアでは当たり前すぎて、考えたこともなかったです。

    アレックス:そうですよね。輸入のルールをクリアするには、きちんとした製造元を証明するために、製造に関する法律が必要なんです。当たり前にどこにでもあるビヒターですが、色々調べてみると、この製造に関する条件をクリアする法律が一つだけ見つかったのです。

    −−こうして、「誰もやったことのないモノ」を輸出入して、ビジネスにする。「いつどこに何が輸入されたか」という歴史を紐解くと、ロシアから買われていないモノは、まだまだたくさんある。今後発信していけば必ず面白いものになるはず。アレックスさんはそう語りました−−

    (続く)

    取材協力:

    株式会社Adapty

    BANYA JAPAN|ロシアで最も人気のテントバーニャ 「TERMA(テルマ)」


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