タワマンは都市の中心部の狭い土地でも大規模な戸数を確保できる特性がある。立地は駅近や駅直結であることが多く、一般のマンションと比べて利便性で優位に立ちやすい。さらにタワマンは地域のランドマークで、「一度は住んでみたい」という層も一定数いることから、中古市場でも価格にプレミアム(上乗せ)がつく。
こうしてタワマンが高値になっても、共働きで世帯収入が1500万円を超えるようなパワーカップルであれば、1億円超の住宅ローンを組んでの購入も現実的となる。値下がりしにくいタワマンの場合、1億円で買った物件は少なくとも9000万円で売れるといった見通しも立ちやすく、「タワマンのためにお金を払っても、全額が自分の資産から出ていったという感覚にはならない」(川島氏)そうだ。
また、タワマン人気が高いとはいえ、マンション市場では依然として少数派。供給過剰が原因となって値崩れが始まる状況からは遠いように思える。
ただ、「必ず価格が上がり続ける資産」が存在しないのは世の理。値上がりを当然視した借り入れにリスクがあることは、日本の不動産バブル崩壊や米国でリーマン・ショックの引き金となったサブプライムローン問題をみても明らかだ。
タワマンが高根の花に見えるうちは、無理をしないのが得策かもしれない。