神戸・三宮再開発 次世代路面電車LRT駆ける未来図 阪神大震災27年

    平成7年1月17日の阪神大震災後、長らく手つかずだった神戸市中心部の再整備事業がいよいよ本格的に動き始めた。若い世代の流出が続き、関西の中で埋没もささやかれる神戸。久元喜造市長はその玄関口・三宮周辺の復興を「震災以来の至上命題」と位置づけ、「新型コロナウイルス禍でも再整備は予定通り推し進める」と意欲を燃やす。三宮周辺はどんなまちに生まれ変わるのか、その未来予想図は-。

    「人が主役で、回遊性が高く、ワクワクするようなまちにしたい」。本紙のインタビューに応じた久元氏は再整備のコンセプトについて、こう説明した。

    高層ビルが立ち並び、大量の車が行き交う…。こうしたいかにも大都会のイメージを排し、「神戸らしい洗練された景観」を重視。JR、阪急、阪神、市営地下鉄など6路線の駅が集まる三宮を起点に、北野の異人館街、旧居留地、元町、港周辺のウオーターフロントなどを巡る回遊ルートを整備して非日常的空間を創出し、「歩いて楽しめるまち」を目指すという。

    再開発事業が本格的に動き始めた神戸市の玄関口・三宮周辺=昨年12月23日(本社ヘリから、竹川禎一郎撮影)
    再開発事業が本格的に動き始めた神戸市の玄関口・三宮周辺=昨年12月23日(本社ヘリから、竹川禎一郎撮影)

    米タイムズスクエアも参考

    歩く人優先のまちづくりを進めるには、現状の車中心の道路空間を劇的に変える必要がある。市は都心部に流入する車を減らすため、通過交通を外周道路に誘導するなど交通体系の見直しを行っている。

    さらに、JR三ノ宮駅近くの交差点に、新たな空間「三宮クロススクエア」をつくるプロジェクトも進行中だ。交差する東西と南北の道路は現状、いずれも10車線規模と広く通行量も多いが、市都心再整備本部によると、車線を段階的に減らし歩道を拡幅。最終的には公共交通機関優先の車線のみとし、米ニューヨークのタイムズ・スクエアをモデルに、欧米の人気観光都市にあるような広場空間とする計画となっている。

    同本部の担当者は「駅で降りてすぐ目の前に大きな交差点があると、分断感が強くワクワク感が湧いてこない。タイムズ・スクエアのような象徴的な空間をつくり、人々が憩える場にしたい」と話す。


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