令和4年 成長への展望

    NEC社長 森田隆之さん(61) 5G整備オープン化でビジネス領域拡大

    --経済安全保障にどう対応するか

    オンラインでグループインタビューに応じるNECの森田隆之社長
    オンラインでグループインタビューに応じるNECの森田隆之社長

    「担当役員を置いて、関係部門で常に連絡を取れる状態にしている。企業活動が制約を受けることのないように、政府には機微技術の定義を明確化していただきたい。非公開特許制度の導入に向けた議論が進んでいるが、目的を明確化した上で限定的な運用を期待したい」

    --定評がある顔認証技術はどう活用するか

    「顔認証技術は新型コロナウイルスのワクチン接種証明や水際対策でも有効な手段だ。今後はマイナンバーとの連動や、決済システムでも活用できるようにする。研究開発中の虹彩も組み合わせて使えば、世界中の人を1対1で認識できるようになる。顔認証は使い方によっては問題が起きかねず、利用先まで責任を持って技術を提供する」

    --M&A(企業の合併・買収)の方針は

    「M&Aはビジネスの選択肢の一つだ。現中期経営計画が順調に進めば、過去3年で使った5000億円規模の投資余力は出てくる。例えば第5世代(5G)移動通信システム関連では技術や人を確保するためのM&Aを行う可能性がある」

    --5G分野ではどのように強みを発揮していくか

    「5Gは基地局分野で(複数のメーカーの機器を自由に組み合わせる)『Open RAN(オープンラン)』と呼ばれる通信環境を導入する流れが来ている。NECはこの分野で先行するNTTドコモと楽天のシステムに貢献している。5Gのオープンランが進展するほど当社のビジネス領域は広がる」(米沢文)


    Recommend

    Biz Plus

    Recommend

    求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

    求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)