米指導力「重要」 経済や貿易で中国に対抗 日本の橋渡しもカギ 首脳会談

    【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領と岸田文雄首相は21日のテレビ会談で、インド太平洋地域での「米国の経済的指導力の重要性」を確認した。米国は同地域で提唱する「新たな経済枠組み」構想について、年内の早い時期に一定の成果を目指す。経済や貿易分野で存在感を高める中国に対抗し、米国が公正な貿易ルール整備に積極的に関与していく上で、日本の橋渡し役が重要になる。

    バイデン米大統領=19日、ワシントンのホワイトハウス(ロイター)
    バイデン米大統領=19日、ワシントンのホワイトハウス(ロイター)

    ホワイトハウスが発表した声明は、バイデン氏が昨年秋に打ち出したインド太平洋の新たな経済枠組みに、岸田氏が「強い支持」を表明したと明記した。

    会談で合意した閣僚級の経済版「2プラス2」の枠組みは、「ルールに基づく経済秩序の強化」が目的のひとつだと強調。中国による不公正貿易や、外国企業にも適用される規制強化の動きに対処するため、日米が緊密に連携する構えだ。

    バイデン政権は労働者保護を優先する立場から、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への復帰検討を封印。代わって、デジタル貿易や重要物資のサプライチェーン(供給網)をめぐる日本や韓国、台湾などとの協力を強化する方針だ。

    米政権高官は19日、インド太平洋の新経済枠組み構想に関し、「今後数カ月内に共通目標を設定し、(関係国と)共同発表」したい意向を示した。賛同する構想参加国とともに、公正な貿易ルールや透明性を重視する原則を打ち出すものとみられる。

    日本は米国の構想を「肉付け」していく過程で重要な役割を期待されているとみてよい。ただ、バイデン政権は、トランプ前米政権が日本にも発動した鉄鋼・アルミニウム関税を維持するなど「内向き志向」も目立つだけに、指導力を発揮したい米国に対して「物言う」姿勢も求められる。


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