和歌山県が和歌山市内の人工島「和歌山マリーナシティ」に誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐり、和歌山市議会は27日、市民団体が直接請求していたIRの是非を問う住民投票条例案を反対多数で否決した。IRの是非を問う住民投票条例案は、可決されれば全国初だった。
条例案は、市民団体「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」が、必要な有権者の50分の1以上の3倍以上にあたる2万39筆の署名を集め、尾花正啓市長に直接請求。市によると、住民投票の実施には約8500万円の経費がかかり、尾花市長は「実施する意義は見いだし難い」と反対意見を付けて市議会に提案していた。市議会では25日の総務委員会で、自民、公明両党などの議員の反対多数で否決していた。
本会議での否決を受け、市民団体の共同代表、豊田泰史弁護士は「住民投票による政治参画の機会が奪われた。市民の声が市議会に届かず悔しい」と話した。