群馬県警は、山岳遭難の際の救助活動向上に向け、登山地図全地球測位システム(GPS)アプリ「YAMAP」を運営するヤマップ(福岡市)と「登山届情報システム」の活用に関する協定を昨年末に締結した。YAMAPで作成した登山届が県警への正式な登山届として受理されるようになる。同協定は長野県警に続き2例目。
昨年の県内山岳遭難発生件数は、115件(133人)で、前年の85件(107人)を上回る状況になっている。谷川連峰での発生が最も多く33件、尾瀬が15件、妙義山と赤城山が9件だった。滑落、転倒および道迷いが約7割で、年齢別では40歳以上が大半を占めている。県警地域課によると、「屋外で密にならないレジャーということで人気が出たのではないか」と推測している。
遭難者のうち、約7割は登山計画書を提出していないという。谷川連峰の一部を登山するには、県谷川岳遭難防止条例により専用の登山届の提出が義務化されているが、その他の山岳への登山届は強制ではないため提出率が低く、提出するのが面倒、そこまで危険性を感じていない、計画書の提出自体を知らない人も中にはいるようだ。しかし、「山は何かあってもすぐに助けが来る所ではない」と、同課の担当者は言う。「体調が悪くなったり、天候の悪化など、アクシデントがあったら躊躇(ちゅうちょ)せず計画を変更してほしい。『せっかく来たから』と、無理をせず中止してほしい」と警告している。また、自分の体力や技術、経験に応じた山を選んで無理のない登山を計画し、計画に合った装備や食料を携行していくこと、登山計画を事前に家族に知らせておくことが重要だという。さらに、「通信手段として、スマホと予備電池を持っていってほしい。登山届を確実に提出してください」と話す。
YAMAPのダウンロード数は昨年11月で累計280万を超えた。電波が届かない山の中でもGPSで現在地と登山ルートが確認できる。また、登山者が遭難して通報を受けた場合、救助に有力な登山ルートなどの情報を早く照会、把握できる。登山届は遭難時の手がかりとなるため、救助のスピードにもつながる。同社のアプリを活用することで手軽に提出することができるため、提出率の向上が期待される。(佐藤津世子)
































