アラフィフ会社員がプロレスに熱くなるワケ 缶コーヒーコラボは働く人へのエールだ

『週刊プロレス』の影響力は絶大だった。ピーク時の発行部数は公称40万部だったと記憶している。遠征してプロレス観戦する「密航」をブームにする、ついには自らオールスター興行を開催するほどだった。表紙はいつもインパクトがあり、メッセージ性も強かった。

歴史的な週刊のプロレス専門雑誌「週刊プロレス」(ファミリーマートのプレスリリースより)
歴史的な週刊のプロレス専門雑誌「週刊プロレス」(ファミリーマートのプレスリリースより)

缶コーヒーとは、働く人を応援する飲み物である。さらに言うならば、40代を応援する飲み物だとも感じている。青春時代に聴いた尾崎豊の「15の夜」にも、缶コーヒーは「100円玉で買えるぬくもり」と称されて登場していた。この、いつもそこにある存在の缶コーヒーとプロレス、しかも週プロの表紙コラボは、ビジネスという戦場で闘う人を応援する良企画と言えないか。あのときの熱い想いが蘇り、頑張ってみようという気持ちになる。

あの時プロレスに燃えていた若者たちが、今のビジネス界で奮闘

1980〜1990年代のプロレスに熱くなった人は、ビジネスの現場で奮闘し続けている。価値観が違う世代の間に挟まれている。日経の人事欄などで友人・知人の出世を知ることもある。誇らしくは思うが、ちっとも羨ましくはない。いまのビジネス界で経営陣、管理職として働くのは茨の道そのものだからだ。

※画像はイメージです(Getty Images)

出世を実現できなかったとしても、日々、目の前に問題は山積している。大学教員、評論家として働いている私だって同じだ。好きなことを仕事にしたところで、環境が劇的に良くなるわけがない。そんなときに、この週プロ×ワンダ×ファミマは、日々の仕事を少しだけ前向きなものにしてくれる。

プロレスの本質は大技、必殺技だけではない。相手の技を受けること、そして、何度でも立ち上がることだ。さらには、試合の勝敗だけでなく、前哨戦や事前のインタビュー、マイクアピール、さらには試合の中身も含めてプロレスである。ロープに振られて戻ってくるのは、不条理ではなく、相手の技を受け止めるためなのだ。この技を受ける、立ち上がるということ。それは、ビジネスパーソンそのものである。この企画はプロレス賛歌であるだけでなく、労働者賛歌、40代賛歌、人生賛歌ではないか。

ビジネスパーソン視点で考えても、奇策、異色の商品のようで、実は計算しつくされた商品だ。このコラボを実現したプロデュース力、各社の尽力に敬意を払いたい。

というわけで、元気をもらうだけでなく、仕事を頑張ろう、久々に会場にプロレスを見に行こうという気になった。「明日からまた生きるぞ」と、当時のプロレスを知っている人にしかわからないセリフを叫んでみた。

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