つり銭とお賽銭を無償交換「コインチェンジ」大阪・大東の野崎観音と商店街で

    金融機関で硬貨の入金や両替の有料化が進む中、大阪府大東市の野崎観音(慈眼寺)と野崎参道商店街が「コインチェンジ」という新たな取り組みを始めた。賽銭(さいせん)の預け入れに苦慮するお寺とつり銭不足に悩む店舗がコストを抑えるため助け合おうという新戦略だ。

    賽銭の硬貨を数える杉山雄峰副住職(左)と巽泰子理事長(右)ら=大阪府大東市の野崎観音
    賽銭の硬貨を数える杉山雄峰副住職(左)と巽泰子理事長(右)ら=大阪府大東市の野崎観音

    大手の金融機関では数年前から、硬貨で入金したり両替したりする際に、一定の枚数を超えると手数料がかかるようになった。1月にゆうちょ銀行も預け入れ手数料の有料化に踏み切った。

    寺社の賽銭は硬貨の枚数が多い一方で、店舗は両替を無料の範囲内におさめようとするため、つり銭が不足がちになる。お寺と店舗が連携すれば双方の悩みが解消されると考えた同商店街振興組合の巽泰子理事長が、野崎観音の杉山雄峰(ゆうほう)副住職に相談し、今回のコインチェンジが実現した。

    巽理事長は「商店街の店舗にとって両替手数料は大きなコスト。週1回または月2回程度で、お寺と各店がやりやすい両替の方法を模索したい」と語る。

    野崎観音は昭和初期のヒット曲「野崎小唄」で知られ、江戸時代から続く5月の野崎参りは参道に屋台が並んで行楽客でにぎわう。

    杉山副住職は「願いの込められた賽銭に手数料がかかるのは残念な気持ちもある。コインチェンジで地域のお役に立ち、お寺により親しんでもらえるきっかけになれば」と話している。


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