コロナで転職市場はどう変わった? いま転職活動をするメリット・デメリットとは

はじめに

新型コロナウイルスが、いまだ猛威を振るっています。コロナ禍が続く中、転職を考えている方が気になるのは転職市場の変化ではないでしょうか。コロナ禍は、転職市場にもさまざまな変化をもたらしています。

今回は、転職市場の変化や各業界への影響、コロナ禍で転職活動を行うメリットとデメリットについて解説します。

コロナ禍がもたらした転職市場への変化5つ

ここでは、コロナ禍により転職市場がどのように変わったのか、その変化を5つ紹介します。

※画像はイメージです(Getty Images)

1.売り手市場から買い手市場へ変化

コロナ禍による転職市場の変化の中で、顕著なのは売り手市場から買い手市場へとシフトしたことです。コロナ禍前の転職市場は、雇用情勢の安定により売り手市場が続いていました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界規模で経済の動きが停滞することになりました。日本でも、経済活動の低下にともない有効求人倍率が低下、その結果、転職市場は買い手市場へと様変わりしました。

2.求人数の減少

コロナ禍は、現在まで続く求人数の減少にも大きく影響しています。厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況について」によると、新型コロナウイルスが流行し始めた2020年1月より有効求人倍率が大幅に下がりました。

コロナ禍以前の2019年5月時点の有効求人倍率が1.62倍であったのに対し、2021年5月の有効求人倍率は1.09倍まで落ちています。また、2021年も新型コロナウィルスの影響は大きく、緊急事態宣言の発出と解除が繰り返されるなど、経済活動および求人数においては厳しい状況が続いています。

3.説明会や面接がオンラインに

企業の採用活動もコロナ禍に対応するために変化し、説明会や面接がオンラインでも行われるようになりました。ウイルスの感染拡大を防ぐため、担当者と志望者が対面しなくても採用活動を行えるよう、チャットツールやWeb会議ツールを活用する企業が増えています。

そのため、志望者側も転職市場のオンライン化に対応し、自宅のWeb環境の整備や応募する企業の指示に従えるように備えておくとよいでしょう。

4.企業が採用に慎重になっている

コロナ禍による経済への影響から、採用活動により慎重に取り組む動きが広がっています。コロナの影響を受ける企業の一部では、業績の悪化にともなう固定費削減のため、採用数を減らす、採用活動そのものを一時的に停止するなどの対応を行っています。

また、現時点で業績に変化のない企業であっても、将来的に、感染拡大による損害や政府の要請対応、景気低迷の影響を受けないとは限りません。そのため、採用条件の見直しや採用活動のリスクを考慮している企業も多いでしょう。結果として、多数の企業が採用活動に対して消極的になっており、求人数の減少に加え、採用に至るハードルも高くなっているといえます。

5.求職者の企業選びの軸に変化を与えた

コロナ禍は、求職者の「企業選ぶ時に何を軸にするか」という点も変化させました。Withコロナの時代といわれる世の中に対応できる企業や、成長が望めそうな企業を志望する求職者が増加しています。

たとえば、これまでの企業選びの軸は「勤務時間や休日休暇、勤務地が希望に合うか」が重視される傾向にありました。しかしコロナ禍を経て、「テレワークや副業など、希望の働き方ができるか」「企業や事業に将来性があるか」を重視する流れに変化しています。転職希望者は、コロナ禍を経験し「世の中の流れを把握し、必要に応じて社員の安全を守れる企業」や、「変化に柔軟に対応できる企業」を求める傾向にあるといえるでしょう。

コロナ禍の影響を受けた業界と受けていない業界

ここからは、コロナ禍の影響を受けた業界と受けていない業界を紹介します。コロナ禍での転職活動は、志望する業界や企業がコロナの影響をどれほど受けているかによっても難易度が大きく変わります。しっかりチェックしておきましょう。

※画像はイメージです(Getty Images)

▼影響を受けた業界

・旅行、宿泊サービス業界

コロナ禍における外出自粛の流れにより、インバウンドや国内旅行といった需要が激減しました。2021年においても、旅行会社の倒産や廃業、ホテルの休業や規模を縮小しての営業を余儀なくされています。

・エンタメ業界

エンタメ業界には、舞台や音楽、テーマパークの運営などさまざまな職種がありますが、どれもがコロナ禍での緊急事態宣言発出時、「不要不急である」と判断され休業する事態になりました。映画館やコンサートホールなど、距離が密になりやすい場面も多く、宣言解除後も一部客席の制限が続くなど、コロナ禍以前の状況には戻れていない職種も多いです。

・飲食業界

旅行、宿泊業界と同様、飲食業界もまた外出自粛の影響を受け客数が減少しました。それだけではなく、緊急事態宣言下では、政府の要請により、時短営業やアルコール類の提供が制限されるなど、厳しい状況や要請への対応を迫られている業界のひとつといえます。h3:影響を受けていない業界

・IT業界

IT業界はもともとインターネット関係に強いため、業務のリモート化に対応しやすい業界です。また、オンラインサービスの需要が高まっている影響から、今後も業績を伸ばす企業が多いと考えられています。

・ヘルスケア業界

人命や健康維持、QOLに関わる職種が多く、コロナ禍の影響を受けにくい業界です。加えて、家にいながら健康維持や改善が期待できる健康食品や器具、体重管理用アプリなどの需要が高く、今後も安定した業績が期待されます。

・食品メーカー、スーパーなどの小売業界

外出自粛の影響で外食の機会が減ってしまった中、自宅での自炊や食事への需要が更に増えました。また、「食」は生活に欠かせない要素のため、今後も需要が減少するとは考えにくい業界のひとつです。

・物流業界

インターネット通販は、インターネットで手軽にショッピングができるため、コロナ禍の中で需要が増えたといわれます。その通販を利用する人々の増加により、物流業界の動向は活発化しています。小売など物流に支えられている業界も多く、加えて個人の通販利用の増加により、今後もニーズは高まっていくと予想されている業界です。

コロナ禍が転職活動に与えるメリット・デメリット

ここでは、コロナ禍が転職活動に与えるメリットとデメリットについて解説します。コロナ禍で転職活動をする上では、どちらもきちんと把握しておくことが大切です。

▼メリット

コロナ禍は、業績が好調な企業とそうでない企業をはっきりとわけました。その結果、転職活動においては、新型コロナウィルスの影響下でも生き残り続けられる企業を見つけやすくなっています。

また、説明会や面接のオンライン化が普及していることから、交通費や時間をかけて移動せずとも、自宅で転職活動を行えるようになりました。そのため、転職活動のスケジュールを柔軟に立てやすく、就業中の転職活動も行いやすいでしょう。

▼デメリット

新型コロナウィルスの感染拡大や状況次第で、採用活動を行っていた企業も求人を取り下げる、あるいは、採用を見合わせるなどの措置をとることが予想されます。また、一部の業界や企業では、業績や今後の影響を考慮し、固定費の削減のため、採用人数を調整する所もあるでしょう。

加えて、コロナ禍前よりも更に即戦力になる人材を求める傾向から、未経験での他業種への就職が厳しくなる可能性があります。そして、求人数の少なさは応募者同士の競争率の激化につながる場合もありえます。そのため、書類選考や面接に対して十分な備えや対策が必要ですし、他の応募者との差別化など、よりいっそうの努力や工夫が求められるでしょう。

まとめ

新型コロナウィルスは、日々の生活だけでなく転職市場にも大きな影響を与えました。売り手市場から買い手市場への変化、求人数の減少…と一見不利な面が目立ちます。

一方で、採用活動のオンライン化やコロナ禍でも好調な企業を見つけやすくなるなど、良い変化もあるでしょう。コロナ禍であっても、転職活動はもちろん可能です。もし挑戦したい業界や働きたい企業があるならば、諦めない精神を持ち転職活動に臨むことが大切です。

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