立民、参院選意識し追及型へ 参院で予算案審議入り

    令和4年度予算案が24日の参院予算委員会で実質審議入りした。立憲民主党は蓮舫氏ら夏の参院選で改選を迎える「攻撃型」の質問者をそろえた。衆院での質疑が迫力を欠いたとの指摘がある中、岸田文雄政権の問題点のあぶり出しに力点を置いたようだ。ウクライナ情勢をめぐっては政府の「後手」ぶりを印象付けることに成功した。

    立憲民主党の泉代表(右)と面会する米国のラーム・エマニュエル駐日大使=24日午後、東京・永田町の党本部
    立憲民主党の泉代表(右)と面会する米国のラーム・エマニュエル駐日大使=24日午後、東京・永田町の党本部

    立民の小川淳也政調会長は24日の記者会見で「政権与党と対決しない野党第一党はあり得ない。参院の強力な布陣に大いに期待したい」と述べた。

    この日の参院予算委では立民の白真勲、森裕子、小西洋之、蓮舫各氏という、自公政権を強く批判してきた「うるさ型」(国対幹部)が質問に立った。

    白氏は政府の前経済安保法制準備室長が更迭された問題を取り上げた。政府から十分な回答が得られなかったとして審議はたびたび中断。衆院予算委ではあまり見られなかった光景だ。

    森氏は北朝鮮による日本人拉致問題について首相に迫った。「金正恩(キム・ジョンウン)総書記と条件を付けずに直接向き合う」と従来の政府答弁を繰り返す首相に対し「全然伝わらない。何も進んでいない」と語気を強めた。小西氏は新型コロナウイルスワクチンの接種前倒しが遅れたと主張。「高齢者が命の危険にさらされる。内閣総辞職ものの失政だ」と強調した。

    一方、蓮舫氏は追及とは一線を画した。ウクライナ情勢を受けて「かなり緊迫した状態だ。私たちは柔軟な対応をする」と国家安全保障会議(NSC)の開催を逆提案。参院予算委は中断し、首相と閣僚はNSCのために退席した。

    2年前、新型コロナが確認された直後の予算委で「桜を見る会」に関する質問に終始し、野党支持者からも批判を浴びた蓮舫氏だったが、今回は責任政党のアピールに成功した形。立民の難波奨二参院国対委員長が「判断が遅れた。危機管理能力が欠如している」と政府与党を批判する一方、自民中堅は「情けない。政府与党から提案すべきだった」とほぞをかんだ。

    立民の馬淵澄夫国対委員長は自民の高木毅国対委員長に対し、深刻な国際情勢を考慮して柔軟な国会運営に応じる考えも伝達。閣僚の離席や副大臣による答弁も選択肢とする構えだ。立民関係者は「現実的な姿勢で見せ場を作れた。審議しないと存在感は落ちるが、状況が状況だ」と語った。(沢田大典)


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