「首都直下」備え帰宅困難者受け入れマニュアル作成へ 東京都

    近い将来、必ず発生するとされる首都直下地震に備え、都は4月から帰宅困難者の一時滞在施設での受け入れ方法などのマニュアル作成に乗り出す。首都直下地震では最大90万人超の帰宅困難者の発生が見込まれるが、確保できている一時滞在施設の収容人数は半分に満たない。具体的な指針を示し、民間ビルが協力しやすい環境を整える。

    新型コロナ禍を踏まえた帰宅困難者受け入れ訓練の様子(森ビル提供)
    新型コロナ禍を踏まえた帰宅困難者受け入れ訓練の様子(森ビル提供)

    民間ビル協力も…

    平成24年に都がまとめた被害想定によると、東京湾北部を震源とする首都直下地震では、都内の広範囲が震度6強以上の揺れに見舞われ、23区では7割にも及ぶ。

    被害が大きくなれば、道路の寸断や交通機関の運休による帰宅困難者も多数発生することになる。

    内閣府によると、23年3月に発生した東日本大震災では、首都圏で515万人が帰宅困難者となり、うち352万人が都内で発生していた。一方、都が想定している首都直下地震での都内の帰宅困難者は最大500万人超。このうち、会社や学校などに留まれる人を除き、実態として「雨ざらし」になる被災者は92万人とされている。

    こうした帰宅困難者が一斉に徒歩移動を始めると、道路が人で埋まり緊急車両が通れなくなるほか、場所によっては路上が満員電車並みの混雑となり、将棋倒しなどの被害も起きかねない。「少なくとも1~2日程度を移動せずに過ごしてもらう場所の確保は、地震発生後の救助活動を進める上でも喫緊の課題」(都担当者)だ。


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