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ロシアのウクライナ侵攻 今こそ「ソフトパワー」を再考する時期だ

先日、ロンドンで開催されたソフトパワーをテーマとしたカンファレンスをオンラインでみた。ソフトパワーといえば、米国のハーバード大学ケネディスクールのジョセフ・ナイ教授の表現だ。軍事や経済力といったハードパワーに対して、文化や教育の影響力を指す。スポーツもその一つだ。

※画像はイメージです(GettyImages)
※画像はイメージです(GettyImages)

主催をしたのはブランドの調査やコンサルタントを行う企業である。民間企業だけでなく国のブランドもカバーしている。親しみやすさや他国への影響力などさまざまな項目の評価を総合してランキング表示している。

今年発表のトップ10は、2021年の調査に基づき米、英、独、中、日、仏、加、瑞、露、伊の順であった。しかし、9位のロシアは今年2月末以降の状況で大幅に落ちたとの注釈を添えている。

例えば2020年の調査ではイタリアは19位だった。パンデミック初期、欧州で最初に感染拡大した国としてさまざまな批判が集まった。その結果が19位だ。しかし、感染対策が徹底されたこともあり(かつ、どこの国も感染拡大を経験したため)、2021年の順位は上昇に転じた。

評価のひとつとして、人権への尊重もある。ぼくが、このカンファレンスで気になったのは、会場の聴衆からの質問だった。それは以下のようなものだ。

「このランキングのなかで人権が重視されるようだが、数年前から人権に力を入れ、難民を積極的に受け入れる政策を行っている私の出身国が、どうして最低に近いのか?」

アジアのある国の女性の発言だ。前述のように、ソフトパワーは多数の指標で評価され、しかも民間企業のブランド評価より、さらに長期的な積み上げが必要だ。そうした当然のことを当然としていないと疑わせる点に、この女性の出身国のソフトパワーの弱さの要因を想像した。


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