首相、サハリン2「撤退せず」 衆院本会議で明言

    岸田文雄首相は31日の衆院本会議で、日本の大手商社が参画するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について「撤退しない方針だ」と明言した。「長期かつ安価な液化天然ガス(LNG)の安定供給に貢献しており、エネルギー安全保障上、極めて重要なプロジェクトだ」と述べた。

    衆院本会議で答弁する岸田文雄首相=31日午後、衆院本会議場(矢島康弘撮影)
    衆院本会議で答弁する岸田文雄首相=31日午後、衆院本会議場(矢島康弘撮影)

    サハリン2をめぐっては、英石油大手シェルがロシアのウクライナ侵攻を受けて撤退を表明。国民民主党の玉木雄一郎代表は31日の本会議で「事業継続は先進7カ国(G7)の経済制裁の結束を乱すことにならないか」とただした。首相は「G7でも各国それぞれの事情に配慮し、持続可能な代替供給を確保するための時間を提供することになっている」と説明した。

    ロシアとウクライナの停戦協議に関し、首相は「具体的な停戦に結びつくかは不透明なままだ」との認識を示した。米国がウクライナに軍を派遣しない現状が日本有事にも当てはまるとの指摘に対しては、「北大西洋条約機構(NATO)加盟国でなく集団防衛の対象でないウクライナと、日米同盟に基づき米国の拡大抑止を繰り返し確認している日本とは事情が大きく異なる」と反論した。


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