エイプリルフールネタではありません  マニア垂涎?バスに乗るだけの「どこにも行けない」ツアー

    エイプリルフールの1日、名古屋市の老舗バス会社が「どこにも行けない!?鯱バスツアー」の発売を始めた。観光バスに乗車した後、出発地に戻ってくるまで一切降りることはできないという。いったいどんなツアーなのか。

    2006年3月から使用している「吉法師」という名の車両。ツアーではこの車両か同年代・同タイプの車両を使用する予定という(鯱バス提供)
    2006年3月から使用している「吉法師」という名の車両。ツアーではこの車両か同年代・同タイプの車両を使用する予定という(鯱バス提供)

    乗り鉄ならぬ「乗りバス」か

    各企業が笑える嘘のネタを公式ツイッターに相次いで投稿するエイプリルフール。企業の広報担当者らが考えたであろう渾身のアイデアは、社会全体を重苦しい空気が覆うコロナ禍に、一服の清涼剤となる笑いをもたらしている。だが、「どこにも行けない」ツアーはネタでも何でもなく、実際に実施されるツアーなのだという。

    1953年創業の名古屋市のバス会社「鯱バス」の企画担当、白澤晴夏さん(26)は「バスツアーというと、観光地でバスから降りて、買い物や観光を楽しむというイメージが強いですが、今回はバスと車窓を楽しむツアー。製造された年代もメーカーも違う新旧両方のバスを楽しめます」と話す。

    ツアーは6月18日午後1時に名古屋市の鯱バス本社を出発し、一般道や高速道を走行した後に、再び出発地に戻ってくる。ツアーの料金は「バス屋さん」とかけて8283円。どこまで“ネタ”なのか、なかなか分かりづらい。

    バス運転手泣かせの難所も

    実はこのツアー、目的地への移動手段としてバスに乗るのではなく、バスに乗ることそのものが目的なのだ。“推し”は玩具メーカー、タカラトミーのおもちゃ「トミカ」のモデルにもなった日野セレガ「道三号」と、2006年に導入され今や希少車種とされる三菱エアロエース「MS86JP」。ツアーでは、比較的新しい道三号と、旧型のバスの乗り心地をそれぞれ堪能できるのが特徴なのだという。

    高速走行では「名古屋第二環状」の2021年に開通した区間を走行。「フレッシュな走り心地」を味わえるほか、一般道では特定・送迎バスのオアシスとされる「鯱バス 東海営業所」を通過するという“特典”も。

    バス運転手泣かせの難所があることで知られる「常滑街道」も走行するといい、「バスマニアイチオシ」(同社)のバスを存分に楽しめる工夫が凝らされているのだ。バスに乗ってどこにも行くことはできないが、もしかするとマニア垂涎(すいぜん)のツアーなのかもしれない。

    ツアーの詳細は、同社ツアーサイトhttps://www.shachi-bus.com/tour/3333/


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