「日々努力を」「積極果敢」九州・山口の入社式

    九州・山口の多くの企業が1日、入社式を開いた。「日々努力を」「積極果敢」-。この日、新たに就任した企業のトップらが、それぞれの業界を取り巻く環境の変化を踏まえ、将来を担う新入社員たちに熱いメッセージを送った。

    福岡銀行の入行式で五島久頭取(右)に誓いの言葉を述べる新入行員代表
    福岡銀行の入行式で五島久頭取(右)に誓いの言葉を述べる新入行員代表

    1日付で8年ぶりにトップが交代した福岡銀行。五島久頭取(ふくおかフィナンシャルグループ社長)は福岡市内で開かれた入行式で、164人の新入行員を前に、人口減少や異業種の参入、新型コロナウイルスの感染拡大など厳しい環境下でも「まだまだ成長できる」と強調。急速な技術革新に対応し「デジタルと人の力を融合させ、便利なサービスを安心して利用してもらう。その先に成長が見えてくる」とし、「未来に続く今を一日一日努力しよう」と呼び掛けた。

    新入行員を代表して誓いの言葉を述べた菊次梓さん(22)は、東京出身ながらも両親の故郷の銀行を就職先に選んだ。「人とのつながりを大事に地域に密着した仕事がしたかった。仕事だけでなく地域の行事にも参加していきたい」と笑顔で語った。

    西日本シティ銀行には136人が入行した。村上英之頭取は、同市内での入行式で、デジタル化やカーボンニュートラルなどを例に「固定観念にとらわれず、時代の変化に適応していくことが今、求められている」と指摘した。先行き不透明な時代を乗り切るために「自らの頭で考え、たゆまぬ自己研鑽(けんさん)を心掛けてほしい」と話した。

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    JR九州は今年度、平成元年度から新卒採用を始めて以来、初めて採用を見送ったため入社式は行わなかった。1日にトップに就任した古宮洋二社長は、同市の本社で幹部社員ら約70人を前に「身の引き締まる思いだが、全く不安はない。ここにいるみなさんがいるからだ。日本一元気な会社にしていきたい」と意気込みを語った。今年度最大のイベントとして9月の西九州新幹線開業を挙げ、「積極果敢」という文字を掲げながら「成功の反対は失敗ではなく何もしないことだ」と挑戦を訴えた。

    西日本鉄道は同市の本社で入社式を開き、新入社員93人が出席した。林田浩一社長は、コロナ禍で普及しているテレワークやデジタル化の進展を引き合いに、「西鉄グループの追い風となる変化が世の中で起きている。それらをキャッチし、会社の成長につなげるには新たな挑戦が欠かせない」と語った。

    コロナの感染拡大が比較的落ち着いているとして、式では3年ぶりに国際物流部門を含め新入社員全員が集まった。新入社員代表の小畑悠紀子さん(25)は「激動の時代に入社できることを前向きにとらえ、事業推進の原動力になりたい」と決意を語った。

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    西部ガスの入社式には34人の新入社員全員が参加した。道永幸典社長は同市の本社内で開いた入社式で「会社は今、大きな変革を進めている。皆さんの周りにはチャレンジできるチャンスが満ちあふれている。グループを一緒に大きくしていこう」と呼び掛けた。

    同社は昨年4月、持ち株会社へと移行し、熊本・長崎両県で地域会社3社を設立した。このうち熊本、長崎の2社でも計3人が現地採用された。

    九州電力には266人が入社し、入社式はこのうち256人が出席した。新型コロナ対策として、昨年同様、福岡市城南区の研修施設と九州各地の支店や発電所などをテレビ会議システムで結び、参加者を分散させた。代表者4人を前に訓示した池辺和弘社長は「自分らしい色で九電グループの自由な職場風土を描き、新たな文化を作ってくれることを期待している」と述べた。

    TOTOはグループ全体で279人が入社した。入社式は、北九州市の本社など国内6カ所に会場を分散し、オンラインでつないで実施した。清田徳明社長は「失敗を恐れず、具体的に行動してほしい。未来を切り開くという志、行動こそが、自分自身の成長につながる」と語った。


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