厚生労働省は11日、3月下旬に海外から入国した30代の女性が、新型コロナウイルスのオミクロン株の従来型「BA・1」と派生型「BA・2」の遺伝情報が交ざった「XE」と呼ばれる派生型に感染していたと発表した。空港検疫で感染が確認され、ゲノム解析で判明したという。国内でXEが確認されたのは初めて。
国立感染症研究所によると、国内でXEの感染拡大は確認されていない。英国では、現在日本国内で主流となっているBA・2と比べ、同一期間で感染者数が増える割合が12・6%高かったという。重症度については明らかになっていないが、感染研は、中和抗体薬やワクチンの効果はBA・2と同程度あるとみている。
厚労省によると、女性は米国に滞在歴があり、3月26日に成田空港に到着し、入国時の検査で陽性が判明した。女性は無症状で、検疫の陽性者施設での療養を経て既に退所した。確認されたXEが英国由来かは判定できないという。
XEは各国で確認され、英国では5日時点で1125件報告されているが、全体に占める割合は1%未満だという。