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100均にも円安・資源高の影 変わる「デフレの申し子」

円安や資源価格の高騰などで物価が上昇する中、「デフレの申し子」といわれた100円ショップでも値上げ圧力が高まっている。ただ、100円という手軽さと価格の分かりやすさが最大の武器だけに簡単には値上げに踏み切れない現実もある。価格維持への工夫をしつつ、付加価値のある高価格帯商品の取り扱いを増やす動きも出てきており、すべての商品を100円で提供するビジネスモデルが変わり始めている。

東京・銀座にオープンしたダイソーの旗艦店。300円を中心としたブランドも併設されている
東京・銀座にオープンしたダイソーの旗艦店。300円を中心としたブランドも併設されている

「ダイソーだけでは取りこぼしていたお客さまがいる。老若男女すべてのお客さまを囲い込みたい」

100円ショップのダイソーを運営する大創産業の鈴木拓取締役は、15日に東京・銀座にオープンした旗艦店の狙いをそう語った。

業界トップの大創産業は平成30年と令和3年に300円の商品を中心とした2つの新ブランドを立ち上げており、銀座店はそれらとダイソーの3ブランドがすべて1フロアにそろう最初の店舗だ。

同社が100円を上回る商品を別ブランドで扱うのは、100円ショップのブランドを維持しつつ「商品展開を増やすことが狙い」(関係者)で、資源高や円安の影響ではないとする。

だが、100円ショップは商品を中国や東南アジアなどで生産し輸入するビジネスモデルのため、原材料価格や人件費の高騰、円安は大きな逆風で、大創産業の担当者も「厳しい状況にある」と認める。パッケージの小型化などで輸入時の積載効率を上げる工夫や、生産の日本への移管で価格を維持しているが、100円の商品だけでは利益を伸ばしにくくなっているのが実態だ。

大創産業は今後、銀座店のような3ブランドがそろった旗艦店も全国展開していく方針で、100円を上回る価格帯の商品の割合は増加していく見通し。同業大手では、キャンドゥも2年7月に、100円超の商品の取り扱いを開始しており、100円という均一価格を維持できているのはセリアだけとなっている。

高品質な商品をワンコインで提供する100円ショップのビジネスモデルは、不況に強く新型コロナウイルス禍でも堅調に成長してきた。帝国データバンクによると、4年度の市場規模は、3年度の約9500億円を上回り、初めて1兆円を突破する可能性もある。

ただ、帝国データの飯島大介氏は「(円安など)外部環境の変化で均一価格を維持しながら収益を拡大することは難しくなっている可能性が高い」と指摘。従来のビジネスモデルは〝曲がり角〟を迎えており、100円超の商品でも、これまでのようなお得感を提供できるかが業界の行方を左右しそうだ。(蕎麦谷里志)


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